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2021年J1リーグ第26節 北海道コンサドーレ札幌戦レビュー #grampus #consadole #喋る机

スタメン

コンサドーレ・グランパスのスターティングメンバー
コンサドーレ・グランパスのスターティングメンバー

編集A:ヤクブ・シュヴィルツォク先発には驚きました。

デスク:この試合に限っては、得点を期待して、というものではないな。

編集A:得点じゃなかったら、何を期待してなんです?

デスク:5トップ相手には押し込まれることが想定される。アビスパ福岡戦でクバは相当「ボールが収まる」ということがわかった。苦し紛れのクリアを収めて欲しいという願いを込めての起用だろうな。柿谷曜一朗だと、収めること自体はできるが、なまじ守備ができるので下がりすぎてしまう可能性が高い。

編集A:それはまた辛い起用ですね。相馬勇紀、齋藤学も謎のベンチ外2連戦ですね。

デスク:理由は不明だな。おそらくどちらかはCOVID-19陽性ということなのだろう。相馬勇紀は豊田スタジアムで見かけたという声もあったので、夏休みなのか、ワクチン接種の副反応なのか、それとも海外移籍なのか。いずれにせよ、外からはうかがい知れない事情だな。

編集A:ファンの人気の高い児玉駿斗がベンチ入りしました!

デスク:フィッカデンティは、ミシャ(コンサドーレ監督)対策は、スペースを与えないこと、と明言している。そのためには4-3-3で相手の5トップを抑え込むか、5バックでスペースを与えないか、だ。そうなると4-3-3の場合は米本拓司・長澤和輝・稲垣祥のなかに誰かトラブルがあったときに詰む。

編集A:中盤中央ができる選手が必要ということですね。

デスク:そう、これまでは木本恭生をそこに上げるというオプションがあった。しかし怪我で離脱している。そこで児玉駿斗というわけだ。

編集A:3人にトラブルがあったときだけ、チャンスが・・・というわけですね。それは厳しい。

デスク:フィッカデンティは序列主義者だ。序列の上な選手が使えるときは、絶対にその選手を使う。そしてその序列が稲垣祥・米本拓司・長澤和輝・木本恭生・児玉駿斗と5番目だということだ。普通の日本人監督だったら、新人獲得時に「名古屋に行ってもノーチャンス」なんて言われないように、チームの編成担当からの「新人ももう少し使って」などの要請に応えるものだが、フィッカデンティはそういう空気はあまり読まない。

編集A:序列主義者・・・!だとしても森下龍矢は序列を上げているようですが?

デスク:フィッカデンティは実績でしか序列を書き換えない。ACLで人数合わせ的にでもあったが起用されたときに、しっかりと結果を残した。そしてアビスパ福岡戦のチャンスにしっかりと結果を残した。

編集A:確かにアビスパ福岡戦の試合後インタビューでは「起用した俺凄いだろう?」みたいなドヤ顔でした。

デスク:あのドヤ顔を出させないと、序列を上げることはできない。

試合開始

編集A:試合開始直後から、コンサドーレがボールを握り続けます。

デスク:フィッカデンティ的には想定通り、だろうな。

編集A:メンバー的にはアビスパ福岡戦からキム・ミンテ→藤井陽也、長澤和輝→米本拓司、柿谷曜一朗>シュヴィルツォクが目立った変化なくらいなんですが、なんと森下龍矢が左サイドハーフではなく、マテウスが左サイドに入りました。

デスク:今日は守備時5バックだな。

編集A:宮原和也がストッパーに、森下龍矢が右サイドバック化するという。

デスク:そう。札幌の5トップに、数的同数を当てたわけだ。

ミシャ式5トップ
ミシャ式5トップ

編集A:ジェイは真ん中というよりグランパスの左サイド寄りに位置していましたね。

デスク:もはや定番と言っていいと思うが、若いセンターバックの藤井陽也と、吉田豊の間でボールを受けようという意図だな。

編集A:吉田豊はルーカス・フェルナンデスに手こずっていました。

デスク:ルーカス・フェルナンデスにとって誤算だったのは、思いのほかマテウスが守備をして、藤井陽也と吉田豊のところに守備のスキマを作ることができなかったことだな。

編集A:マテウスの守備は気まぐれですからね。

デスク:この日、札幌は20度くらいしかなかったようで、涼しかったことが大きいかもだな。

編集A:ルーカス・金子・柳の3枚でグランパスの左サイドを崩して、ジェイが仕事ができるスペースを作りたかった、というのがコンサドーレの狙いだ、と言うまとめで良いですか?

デスク:間違いない。宮澤の欠場で、田中駿汰が中央に回ってくれていて、トライアングルがいつもより精度が低かったことも幸いしたな。

先制点

編集A:攻められる時間が長かったのですが、あっさり点が入りました。

デスク:コンサドーレはずっと前掛かりだったので、守備が相当ルーズになっていた。

編集A:マテウスが3人抜いてシュートでした。

デスク:シュートブロックの意識が高いのはいいが、あの瞬間ほとんどの選手が最終ラインに吸収されてしまっていたな。

編集A:それで稲垣祥が浮いた、というわけですね。

デスク:そこでキッチリ枠にシュートを打てることが素晴らしい。

2点目

編集A:2点目の稲垣祥の走り込みも素晴らしかったですね。

デスク:ヤクブ・シュヴィルツォクがいいポストで前田直輝が動きやすいパスを出してくれた。あれで勝負あったな。フィッカデンティのドヤ顔が目に見えるようだ。

編集A:前田直輝のクロスに走り込んでいるのが稲垣祥というのが驚きです。

デスク:まさにドンピシャのクロスだったからこその得点だったが、リードしているあのタイミングで、あそこに飛び込みにいけるセントラルMFはそうはいない。この意識の高さが稲垣祥の稲垣祥たる所以なのだろう。簡単に言うと「稲垣祥かわいい」でいい。ここのところ明らかに疲れが見えていたのだが、彼もまた、涼しい気候の恩恵を受けたひとりなのかもしれないな。

ヤクブ・シュヴィルツォク

編集A:今日のクバはどうでしたか?

デスク:2点目の起点になったことでフィッカデンティは十分に評価していると思う。

編集A:ファンはまた豪快なシュートを期待していたと思います。

デスク:あれだけチームの重心が低いと厳しいな。真っ当に良いボールが出るシーンがなかった。あれではどうにもできない。クバは「良いパスを出して」「ペナルティーエリア内外で」仕事ができるタイプの選手。ハーフラインから自陣側でできることは少ないよ。

編集A:そうですよねぇ。ちょっと残念でした。

藤井陽也

編集A:今回の最大の収穫は藤井陽也ではないでしょうか。

デスク:間違いない。

藤井陽也のスタッツ
藤井陽也のスタッツ

引用元:Hokkaido Consadole Sapporo vs Nagoya Grampus Eight live score, H2H and lineups

編集A:空中戦(Aerial duels)10回で8回勝利ですか!これは凄いですね。

デスク:しかもマッチアップしていたのがJリーグでも屈指のエアバトラー、ジェイだったからな。ジェイを70分での交代に追い込んだ。

編集A:青井さんの記事にあったACLのとき 「若さゆえの過ち」を乗り越えろ ~藤井陽也の現在地 #grampus に比べて、違いはなんだったでしょうか。

デスク:まず第一は、下手に持ちすぎなくなった、球離れが良くなった、ということだと思う。もともと藤井陽也はプロになってからのプレーを見る限り、ボールを握って組み立てたいタイプ。安易にクリアに走らないところはいいが、強いプレッシャー下で繋ぐことがACLではできていなかった。この試合の藤井陽也は安易に相手にボールを渡さないというだけでなく、素早い判断で味方にパスを付けることができていた。中谷進之介のタッチ数45に比べて、藤井陽也は54、確実にボールに絡みにいくことができていたところが素晴らしい。

編集A:キム・ミンテに比べてはどうでしょうか。

デスク:どちらもまだサンプルが少なすぎるが、どちらもエアバトルに強いというところは同じ。キム・ミンテは大きなサイドチェンジで前の選手にボールを付けることができる。これは大きい。短い強い縦パスを付けられるところは藤井陽也のほうが優っている。

編集A:藤井陽也の「序列」は上がるでしょうか?

デスク:確信は持てないが、少なくとも「まったく使えない」というレベルではないというインプットがされたと思いたい。

試合のまとめ

編集A:さて、得点シーン以外のほとんどの時間、コンサドーレの攻撃を見て終わった形でしたが、どう評価しますか?

デスク:まず、この試合だけ見たら、完全にフィッカデンティの作戦勝ちだな。

編集A:お、いい評価ですね。でも「この試合だけ見たら」っていうのが気になります。

デスク:そうなんだよ。フィッカデンティ的には問題ない、と思っているのかもしれないけど、稲垣祥の得点はいつも入るものじゃないと思うんだ。

編集A:勝てなかった時期は、稲垣祥のシュート、入ってなかったですもんね。

デスク:いくつもアブナイシーンを作られていて、それを藤井陽也のナイスカバーでしのいだり、ミッチのグッドセーブでしのいだりしていた。スコアが逆だったとしてもおかしくはない

編集A:うっ、それは感じます。

デスク:まだ、グランパスはそんなに強くない。今強いといえばマリノスだったりするけど、そことの差は大きい。

編集A:感じさせられましたね。

デスク:俺たちファミリーは、勝てた!良かった!で酒飲んで寝る、でいいと思うんだけど、チームはこれくらいの成績でヨシとしないで欲しいんだよな。

編集A:小中先生の予測では、4位か5位が濃厚とのこと。

デスク:チームとして、これくらいの成績でいい、ACLも運が良ければ行ける、そのレベルでいいのか、チームとしてのゴールはもう一度再確認して欲しい

編集A:そこはチームのトップが考えてくれるとして、ゴールさえ明らかになれば、あとは目標に向かって、選手もファミリーも努力するだけですね。

デスク:俺たちもどんな後押しができるのか、考えていこう。

この試合のGood!(よかった)

  • またもクリーンシート
  • 藤井陽也が問題なくJ1レベルの試合をこなすことができたこと
  • 森下龍矢が90分のゲームをこなせた
  • マテウス、稲垣祥のお疲れコンビが少し復調気味なこと

この試合のMore!(もうちょっと頑張ろう)

  • クリーンシートだけでなく、得点を取る仕組みをもっと考えないと
  • クバを腐らせないように、起用するならちゃんとチャンスを作ってあげよう
  • 2-0なら金崎夢生や児玉駿斗の試運転をしてみることもできたのでは

次も良い試合になりますように

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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