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【100%推論】なぜDAZNは値上げし、イングランド プレミアリーグ(EPL)の放映権を失いそうなのか #DAZN #EPL #放映権

既にDAZNの値上げについては記事でお知らせし、その対策についても紹介した。

しかしクラブの年間視聴パスも売り切れが迫っており、Jリーグを中心に視聴するための対策はもう狭まりつつある。

しかし、値上げはこれで終わりなのだろうか?再度の値上げはあるのだろうか?

そういう不安を抱えている方も多いだろう。その不安を解消するために少しでも情報を整理してお届けしようと思う。

【事実】DAZNの値上げは日本だけではない

日本での値上げ発表と前後して、世界各国でも値上げを発表している。

国による差は、その国で得ている放映権でどのリーグが放映できるか異なっているというところの影響がある。

【推論】DAZNはなぜ値上げをしたのか?

【事実】経営者が変わった

DAZNの経営者は日本でも契約の際に現れ、お馴染みとなっていたジェームズ・ラッシュトン(ラシュトンとも)だった。ここまでのDAZNの経営方針はほぼ彼を中心としたチームによるものだろう。

ジェームズ・ラシュトン 共同創設者

ジェームズ・ラシュトンはDAZN Groupの共同創設者であり、権利やコンテンツのマネジメントを含めたグローバル全体の経営を担っています。スポーツ業界で25年の経験を持つジェームズは、キャリアの大半をPerform Groupで過ごし、2016年のDAZNの立ち上げを含め、多くの重要なイノベーション、市場拡大、収益増加を主導しました。 ジェームズは、CEO代理、共同CEO、最高収益責任者、APAC担当マネージング・ディレクター、オーストラリア・ニュージーランド担当マネージング・ディレクター、DAZN Player担当マネージング・ディレクターなど、さまざまな役職を担ってきました。それ以前は、バーミンガム・シティ・フットボール・クラブでコマーシャル・ディレクターを務めていました。

ジェームズ・ラシュトン – DAZN

ラシュトンは会社を去ったわけではないが、CEOはシェイ・セゲフに交代した。

シェイ・セゲフ 最高経営責任者

DAZN Group 最高経営責任者。グローバル戦略の担当として、DAZNを次なる成長へと導く役割を担います。FTSE 100のスポーツベッティング(賭博)とゲームの会社、EntainでCEOを務めた経験から、デジタルトランスフォーメーションでの実績を生かし、幅広いテクノロジーの知識と経験をもたらします。キャリアの初期には、VideobetのCEO、PlaytechのCOO、Coralの最高戦略責任者、世界的なソフトウェア企業マーキュリー・インタラクティブのCTOを歴任。また、過去10年間に4回「Gaming Intelligence Hot 50」に選ばれています。

シェイ・セゲフ - DAZN

セゲフはスポーツベッティング(賭博)とゲームのプロバイダーであるEntainで働いていた。このプロバイダーは、セゲフの指揮のもとに大幅に成長した。DAZNグループの会長であるケビン・メイヤーは、スポーツベッティングとeコマースが重要になってくると考え、こういった経験と技術に強みを持つセゲフの起用を考えた。

【推論】セゲフDAZNで方針が変わる

ここで注目して欲しいのは、セゲフはサッカー界にルーツはなく、単なる賭けの対象としてだけ見てきたということだ。

DAZNは2019年4月に、スポーツ関連のさまざまなデータを提供している「Opta」「RunningBall」「Watch&Bet」などを売却している。(少数株は保有)

このWatch&Betというのはその名の通り、スポーツベッティング業者向けに映像やデータを提供している部門で、ここを手放すということは、すなわちスポーツベッティングから得られる収益の大半を手放したということになる。よくあるDAZNは賭けの会社である、という風評は間違いであることがわかる。

セゲフの起用はスポーツ配信だけでは収益構造の維持はやはり難しい、という回帰の流れなのではないか?2019年以前の体制に巻き戻す可能性は高い。

ただ巻き戻すだけでなく、最近流行のWeb3の要素、たとえばNFTなどの最新の技術を活用したものになるのでは、という推測もできる。

【NFTとは】暗号資産との違いや注目の理由、NFTのメリットや取引対象を解説

【報道あり】英BT Sportsの買収に動いている

Who are DAZN? How BT Sport takeover could affect Manchester United and Man City

DAZNは英国企業である。しかし意外なことに英国ではイングランドプレミアリーグ(EPL)の放映はできていない。

イングランドプレミアリーグの放映権は2025年まで現在BT Sports(英国のNTT的な会社のスポーツ放送部門)・Sky(衛星放送とストリーミングの会社:スカパー!の提携元)・Amazonによる3社に与えられており、そこまで見直しのチャンスがないことが影響していると考えられる。そうなると今放映権を持っているどこかを買収する以外には放映権を獲得するチャンスはない。

もちろんAmazonの買収も、大手であるSkyの買収も不可能に近い、となると残る選択肢はBT Sportsだけになる。BT Sportsは一部門に過ぎないので難易度はそれほど高くない。それでも買収額は8億ドル(約911億円)からになる。

【推論】DAZNはキャッシュ(現金)が欲しい

DAZNがいくら大きな企業であっても900億円以上でのオファーはかなりの負担が大きい。

しかも、BT Sportsの買収にはライバルがでてきている。

Steal the deal: Discovery in talks with BT Sports to derail sale to DAZN

Discoveryが対抗馬になると、当然ながら買収額も釣りあがってしまう。1000億円オーバーになることも予想される。

現金でそれだけの額を用意するのも簡単ではない。会社の買収時によく使われる「株式交換型」も相手の規模が大きいために今回は難しい。

企業買収における株式交換

そうなると現金を増やすしかないが、大きな不動産などを持っているわけではないので固定資産売却による現金確保もできない。現金を獲得できるのは視聴料だけであり、それが各国での視聴料の値上げの直接の原因ではないかと思われる。

【推論】なぜイングランドプレミアリーグの日本での放映権料を失いそうになっているのか

会社組織での施策には、必ず優先度があり、その優先度の高い施策にリソースは優先的に振り分けられる。

推測ではあるが、DAZNの優先度ナンバーワンはBT Sportsの買収であり、そうなるとそれ以外に割けるリソースは少ない。

その間隙を突いたのが韓国Eclat Media Group(エクラメディアグループ)だ。

EXCLUSIVE: Premier League secures rights-fee increases in Japan, Korea as Eclat expands again | SportBusiness (有料記事)

Eclat Mediaは韓国内はともかく、日本ではSPOZONEというDAZN同様のサービスを行っているが持っている放映権は米国MLBだけで、それだけではユーザーの獲得ができずにABEMAにサブライセンスを行っている。ユーザーの獲得に目玉が欲しい状況だった。

そこで目をつけたのが人気のあるイングランドプレミアリーグである。そこで巨額のオファーを出したというのがありえるシナリオだ。

【推論】値上げはDAZNの陰謀なのか?

一部のTwitterユーザーが「放映権を失いそうになったから先に値上げした」という陰謀論を唱えているが、「英国内でのプレミアリーグの放映権争いのために値上げして備えて、そちらに夢中でいる間に足元をすくわれた」、というのが実情に近いだろう。

なんでも悪意を想像するのは良いことではない。

【推論】これからどうなっていくのか?

Sports Businessの報道が真実ならば、DAZNとしてはサブライセンスの獲得を目指すことになるだろう。SPOZONEが独自で番組制作を行うとした場合、これだけ多いイングランドプレミアリーグの試合数を独自で制作をしきれない可能性もあるため、そこを突く形だ。かつてスカパー!やDAZN、WOWWOWでも放映権を持っているのに全試合放映ではなかったことを覚えている人も多いだろう。

DAZN側にとってもメリットはある。イングランドプレミアリーグは日本代表の試合に次ぐ人気コンテンツだからだ。

『DAZN(ダゾーン)』が2021年視聴ランキングを発表! トップ5は日本代表戦が独占、J1から川崎Fvs横浜FMも(GOAL) – Yahoo!ニュース

しかしサブライセンスでは、全試合放映は難しく、しかも人気試合の放映を絞られる可能性が高い。

グラぽ編集長はJリーグが見られれば満足だが、イングランドプレミアリーグを楽しみにしている人にとっては乗り換えの理由になりそうだ。

まとめ

  • DAZNの経営者が変わり、放送だけに頼った収益モデルの見直しが図られているかもしれない
  • 高収益の見込めるイングランド内の放映権が欲しいので、BT Sportsの買収に動いているが、競合が発生しており高額になってしまっているため、現金が足りない。
  • 現金が欲しいので視聴料の値上げに踏み切った可能性が高い
  • イングランド内の放映権に夢中でいる間にノーマークのエクラメディアグループに韓国・日本のEPL放映権を狙われており、正式発表はないが奪われてしまった可能性が高い。

少しでも良い方向にいきますように

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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