グラサポよ 京都、行こう!
時計の針は既に90分を経過していた。
左サイドを猛然と駆け上がる丸山祐市にボールが届けられると、迷わずダイレクトで折り返す。ベテランCBのオーバーラップに、意表を突かれた京都DFの3枚が、揃って揺さぶられ、バランスを崩したその隙きを、齋藤学の右足が見逃すはずはなかった。
アウェイ遠征の醍醐味とは?と問われた時、あなたなら何と答えるだろうか。
敵地に乗り込む高揚感がたまらないと答えるサポーターもいれば、ビジター側スタンドでこそ味わえる独特の一体感が病み付きになるよねと答えるサポーターもいるだろう。とにかく、色々なスタジアムを巡るのが好きなのよというサポーターもいれば、地方地方のグルメを堪能するのが楽しみだというサポーターだって中にはいる。
アウェイ遠征には、普段のホームゲームでは決して味わうことのできない非日常の世界があって、まるで異国の地を冒険しているような、ワクワクやドキドキ体験が至るところに散りばめられているのである。
しかし、これらアウェイ遠征がたまらなく刺激的だと分かっていても、私達の目の前には、高い高い壁が立ちはだかる。
例えばご家族がいる場合、あなたのパートナーはアウェイ遠征に理解を示してくれるだろうか。
ホームゲームであれば、好き勝手に出掛けようが何も言わないパートナーが、アウェイ遠征と聞いた途端に、眉間にしわが寄り、無言の圧力で我々Jサポの息の根を止めにかかる。
「あなたの道楽に家庭を巻き込まないで」という明らかな意思表示である。
こうなると、もうどうすることもできない。
アウェイ遠征のみならず、週末の全てが THE END だ。
しかし、そんな「アンチ・アウェイ遠征」を打破するべく救世主が現れた。
「サンガスタジアム by KYOCERA」である。
このサンガスタジアムの持つポテンシャルは、相当に凄い。
近年は、サッカー専用スタジアムが全国各地に建設されているが、サンガスタジアムについては、コンパクトな設計であるにも関わらず、ダイナミックな外観と、ピッチから伝わる臨場感は、豊田スタジアムをホームに持つ我々グランパスファミリーからもその素晴らしさに驚きの声が上がったほどだ。
アウェイ遠征を夢見て止まないサポーターにとって、スタジアムというハード面が素晴らしいというのは気持ちを高める最大のモチベーションだ。
しかし、サンガスタジアムの持つポテンシャルはそれだけに留まらない。
まず素晴らしいのは、駅から近い。
JR京都駅からJR亀岡駅まで山陰本線で30分とかからない。亀岡駅を下車すれば、すぐ目の前がサンガスタジアムだ。
名古屋駅から出発して、乗換えがピタリと合えば1時間15分とかからないのだ。
これは名古屋駅から豊田スタジアムへ行くのと遜色ない。いや寧ろ、豊田市駅から20分、せっせと歩くことを考えると、サンガスタジアムの駅横立地は実に羨ましい限りだ。
そして、何よりも、京都という日本屈指の観光資源を有している。この観光資源については、質、量共に生半可なものではない。この部分に至っては最早、太刀打ちできるスタジアムなど皆無だ。
私はグランパスファミリーである。
グランパスファミリーである私が、京都という敵地、サンガスタジアムについての素晴らしさ、魅力を熱く語っているのは、なぜか?
そう、ここからが本題だ。
このサンガスタジアムの持つ魅力の全てを利用して、「僕たち、私たちのアウェイ遠征」を勝ち獲ることはできないか?
きっとできる!俺たちはやれる!
そんな勢いに任せて、綴ってみました。
あなたのパートナーも行きたくなる「 #名古屋サポ京都遠征 」、題して
凄いぞ、サンガスタジアム
グラサポよ 京都、行こう!
拙文ではありますが、しばしお付き合いくださいませ。_(._.)_
サンガスタジアム by KYOCERAとは
改めて申し上げるまでもありませんが、正式名称は「サンガスタジアム by KYOCERA」です。
2021年、京都サンガF.C.の新たなホームスタジアムとして産声をあげたサッカー専用のスタジアムです。
京都サンガF.C.は、2021年シーズンはJ2リーグを闘っていたため、我らがグランパスとの接点はありませんでした。
2022年、J1に帰ってきた京都サンガF.C.。
彼らがJ1の舞台に復帰を果たした折、京都近隣に在住の多くのJ1サポーターが、喜びと歓迎の気持ちをもって、祝福していたのが印象的でした。
祝福と共に溢れていたサンガスタジアムへの憧れは特に印象的で、京都サンガ自慢の「新スタジアムを体験したい!」といった声を私もたくさん耳にしましたし、かくいう私自身、ぜひともサンガスタジアムを体験したい!という衝動にかられた一人でした。
そして今回、ルヴァンカップ、プレーオフステージ2ndレグ。いよいよサンガスタジアムへの遠征が決まり、私は考えました。「せっかく京都に行くのなら、ガッツリ京都観光まで堪能してやろう」と。
そして、私の遠征記をご紹介することで、一人でも多くのファミリーが、京都遠征に興味を持ち、ファミリーそれぞれの京都遠征に向けた一つのきっかけ作りになれたなら、素敵だなと。
近隣アウェイに素晴らしいスタジアムが完成したのだから、京都観光を満喫しつつ、最終目的地サンガスタジアムをロッソ&ジャッロに染め上げようぜ!という意気込み満々の遠征記をどうぞご笑覧ください。
旅を計画する
まず、遠征の行程を考える前に、試合開始日時を確認しておきましょう。
京都サンガF.C. vs 名古屋グランパスの試合は、2022年6月11日(土)18時30分キックオフということで、昼間のほぼマルっと一日を観光に充てられる、とても条件のよい日となっておりました。
それでは早速、今回訪れる場所を決めていきます。
京都には数多の名所旧跡が存在しており、選ぶだけでもひと苦労です。
今回私は、候補地を前もっていくつかピックアップしておりました。
閑静な佇まいで、自然が美しく、絵画のような世界に浸れる寺社仏閣を訪れたいなと。その候補として「東福寺」と「源光庵」を考えておりましたが、今回はこれまで一度も訪れたことがない「源光庵」に行ってみようと決意しました。
「源光庵」については後ほどご紹介しますが、地理的には京都市の中心部からは、やや北の外れに位置しております。2014年、JR東海『そうだ 京都、行こう。』のキャンペーンポスターに採用されたことでご存知のファミリーもいらっしゃるのではないでしょうか。
さらに地図が鮮明に拡大できます👏
https://imahachi.com/24kinki/kyotokoiki/
そして、地図を見ていくと、「源光庵」のすぐ南には世界遺産の「金閣寺」がありますので、折角ですから立ち寄って、金箔グルメでも堪能しようかな。と、この辺りまでは、計画を練り込み、そこから先については、「嵐山」方面へ向かいつつ、最終目的地である「亀岡」を目指して行こう!そんな感じで計画を立てました。
情報収集
次に、遠征先の情報収集を行います。
せっかく新スタジアムに辿り着いたとしても、スタジアムの特徴や周辺情報を予習しているのとそうでないのとでは楽しみ方が大きく変わってきます。
今回私は、2週間前にサンガスタジアムで開催された京都サンガF.C. vs 川崎フロンターレの一戦に注目、フロサポさんがTwitterに投稿された現地情報を拾い集めることで、スタジアム情報を収集することができました。
また、グラぽサイトでも特集記事が掲載されましたので、大いに活用させていただきました。
そうだ京都行こう サンガスタジアム by KYOCERAのご案内 #grampus #京都サンガ #ルヴァンカップ | グラぽ
#名古屋サポ京都遠征 当日
いよいよ決戦当日の朝を迎えました。
後ほど、当日のツイートを一気にご紹介します。
で、あっという間に京都着。
名古屋から、のぞみで僅か33分、ハヤっ!
これは、名古屋駅➡豊田市駅よりも断然速い!
京都駅の新幹線側コンコースには、おみやげ屋さんや飲食店(スタバなど)が入っていました。
いざ、源光庵へ
私は売店には目もくれず、改札を出て、駅ビルの北側に隣接しているバスターミナルに向います。
ちなみに、トイレ🚻は新幹線の改札を出る前に済ませておくことをおすすめします。京都駅ビル内にもいくつかありますが、探すのが大変でした。
今にも雨が降り出してきそうな曇り空。
バスターミナルからは京都タワーが見えます。
市バス「A3」のバス停でバスを待ちます。
[市営6]玄琢行きのバスに乗車します。
運賃は230円、交通系ICカード「manaca」も利用できます。
バスに揺られ最初の目的地「源光庵」まで一気に北上します。
「鷹峯源光庵前」バス停まで所要時間は約43分。
京都駅から源光庵までのルートはこんな感じです。
「鷹峯源光庵前」バス停で下車すると、すぐ目の前が最初の目的地「源光庵」です。
とても閑静な敷地内
庭がとても美しい
心が洗われます
言葉とかいらないですよね
紅葉の季節にもまた訪れたいですね
いざ、金閣寺へ
源光庵で心が浄化されたところで、次なる目的地、金閣寺へと向います。
先程下車した「鷹峯源光庵前」バス停へと戻り、再び[市営6]四条大宮・京都駅行きのバスに乗車します。
【注意】同バス停には[北1]北大路バスターミナル行きのバスも停車しますが、誤って乗車しないように気をつけて!
[市営6]系統の市バスは、途中、折り返し京都駅へと向います。
バスに揺られること約10分、金閣寺へは「千本北大路」バス停で下車します。(運賃230円)
「千本北大路」で下車した後、バスが来た道を徒歩で戻り、交差点を左折します。
更に徒歩で700Mほど進むと、金閣寺への案内板が出てきます。ここまで来れば、金閣寺はすぐそこです!
レアメタルの宝庫
名古屋城の金鯱が清楚に感じます
閑静な源光庵から、ピッカピカの金閣寺へと、振れ幅がとんでもない。(京都ってスゴイ)
抹茶ソフトプレミアム
(金箔入り)
濃厚でうまし🤤
いざ、嵐山へ
金閣寺でソフトクリームを堪能しつつ、時計を見ると11時30分。
のんびりしている割にはとても順調なペースです。
ならば、行きましょう、嵐山へ。
金閣寺を後にして、徒歩でのんびり南下すること17分少々。
北野白梅町という交差点のド真ん中に、突如として現れた電車の終着駅。
北野白梅町駅を覗き込むと、サンガカラーのかわいらしい電車が丁度、駅に滑り込んできたところでした。ならば、もう乗るよね?
運賃は下車駅での支払いとなりますが、交通系ICカードの「manaca」が使えます。これは有り難いですね!(運賃は一律220円)
嵐電(京福)北野線ですが、終点「帷子ノ辻駅」(かたびらのつじ・えき)で一旦下車し、ホームを移動し、嵐電(京福)嵐山本線に乗り換えて、終着駅である「嵐山駅」に向います。
嵐電の路線図(乗車区間)
北野白梅町駅➡帷子ノ辻駅➡嵐山駅
所要時間27分
運賃220円、安し!!
嵐山駅に到着!!
さっすが、観光地、オサレっす!!
駅ナカに「京の酒カフェ十三八」なるお洒落な酒カフェを発見!Go to 日本酒!
日本酒3種飲み比べ!! 優勝!!
(1,000円)
ふと横を覗くと、大学生くらいの爽やか女子2人組が、キャッキャ🤗はしゃぎながら日本酒12種飲み比べを楽しんでおりました。(日本酒女子!!)
で、快くお写真撮らせていただきました。
- 3種飲み比べ 1,000円
- 12種飲み比べ 2,100円(おい!価格差!)
嵐電の駅を出るとそこはもう完全に観光地。
渡月橋へと続くメインストリートには様々なお店が並び、人力車が行き交います。グランパスのユニフォームを身に纏ったファミリーも数多く散策されていました。
私は、嵐山の賑わいを堪能しつつ、JR山陰本線「嵯峨嵐山駅」へと向います。
トロッコ列車で いざ、サンガスタジアムへ!!
JR嵯峨嵐山駅に到着すると、トロッコ列車で有名な「嵯峨野観光鉄道」の「トロッコ嵯峨駅」が隣接していることに気付き、興味本位で立ち寄ってみることに…
すると、次のトロッコ列車に空席があるとのこと(奇跡やー)
- 嵯峨野観光鉄道
- トロッコ嵯峨駅➡トロッコ亀岡駅
- 乗車時間23分
- 運賃880円(現金)
保津川下りを楽しむ小舟に手を振りながら、のんびりと亀岡市へと向います。
嵐山から亀岡まで最短距離で走るJR山陰本線を縫うように、トロッコ列車は保津川沿いをトコトコ走ります。
因みにJR山陰本線を使えば、JR嵯峨嵐山駅からJR亀岡駅まで、僅か10分(運賃200円)です。
決戦の地、サンガスタジアムが見えてきました!
列車内では、名古屋グランパスのサポーターへ向けたウエルカムアナウンスなどもあり、気持ちが昂ります。
もちろんユニフォームは着用済み<(`・ω・´)
トロッコ亀岡駅からサンガスタジアムへ
終着駅であるトロッコ亀岡駅で下車後、サンガスタジアムへ向かう方法は大きく2パターンあります。
- ①JR馬堀駅から電車でJR亀岡駅へ向う
- ②徒歩で向かう
今回私は、徒歩で向かいました。
JRを利用すれば1駅ですが、徒歩の場合は40分程かかります。
私はJRの沿線を歩きましたが、ショートカットをする経路もあるようです。
サンガスタジアムに到着!!
サンガスタジアム充実のファシリティ
開場時間より1時間以上も前に着いてしまったため、小雨の降る中、周囲を散策することに。
かめおかecoマルシェ
まず目に飛び込んできたのは「かめおかecoマルシェ」です。
京都サンガのホームゲーム開催時に開催されているそうです。スタグル的なやつですね。
私は、「魚留 河原町店」さんの焼き鯖寿司を購入しました。スタジアム内では食べず、お夜食としていただきました。とっても美味しかったのでオススメです!
フードコート(Football Diner)
サンガスタジアムの外周に沿って歩いて行くと、スタジアムの1F部分が様々な施設になっていることに驚かされます。
圧巻の人工壁がそびえ立つスポーツクライミング施設や、ドローンサッカーアリーナ、そして京都サンガの過去の試合映像を眺めながら食事ができるフードコート(Football Diner)など、サポーターだけでなく、地域の人々が自由に利用できる施設となっていて、とてもユニークなスタジアムだと感じました。
私は、Football Diner というフードコートで、遅い昼食をいただきました。理科の実験を思わせる衝撃の生ビール🍺 割とお値打ち価格だったと記憶してます。
いよいよサンガスタジアム入場
開場と同時に場内へ。
ビジター側もピッチから近く素晴らしい!
美しきグランパスゴール裏をお納めください
臨戦態勢
圧倒的ロッソ&ジャッロ
後半AT 決勝点を信じる若鯱
まなぶがゴールを決めたとき、酒井が誰よりも喜んでて、胸が熱くなった🔥
見事勝利
愛すべき選手たちと共に
土壇場、アディショナルタイムの決勝弾によって、劇的勝利を手にしたグランパス。
このサンガスタジアムでの感動体験こそ、一番の旅の思い出として、いつまでも心に刻まれていくはずです。
家路に就きながら、まとめ
今回の京都遠征では、色々な場面で京都の「おもてなし」精神に触れることができました。
トロッコ列車内でのウエルカムアナウンスや、JR亀岡駅に設置されていたウエルカムボードは直接的な「おもてなし」として心躍りましたが、それ以外にも、臨時列車の増発や、試合終了時には、ビジター席とメインスタンドを最優先した時差退場を実施するという事前アナウンスがあり、終電を目指して名古屋に引き上げるグランパスファミリーにとってはとても有り難い「おもてなし」だなと感じました。
いかがだったでしょうか?
京都遠征したくなりましたか?
例えあなたのパートナーが、サッカーには興味がなかったとしても、京都という街のポテンシャルを思う存分に有効活用することで、 #名古屋サポ京都遠征 も決して不可能ではなく、むしろチャンスだと希望の光が見えてきませんか?
サンガスタジアムのビジターゴール裏全体が、ロッソ&ジャッロで埋め尽くされる日を夢見て
🔴おしまい🟡
【追伸:齋藤学選手へ】
2022年6月30日、齋藤学選手が韓国、水原三星ブルーウィングスに完全移籍するとのリリースがありました。
https://twitter.com/guri_gura2010/status/1535803755903324160?t=mUvk6wbuXWLMSUM_bWvd_A&s=19
ヒーローインタビューを終えて、仲間たちが待つゴール裏へと駆け出す学選手。
この時、丸山選手が「学が来るまで待ってようぜ」と声を掛けたそうです。
学選手は、本当に嬉しそうで、笑顔が最高でした。
韓国でのご活躍を心から祈っております!
【補足1】時系列でご覧いただける当日のツイートはこちら⬇
https://twitter.com/guri_gura2010/status/1535391493455695872?t=UCsBnV7ovXReJaYb_Klmjw&s=19
【補足2】名古屋駅からJR亀岡駅までの最短ルートはこちら⬇
最短1時間9分程度!
長文にもかかわらずお付き合いいただきまして、ありがとうございました_(._.)_