忍者「どうも忍者です」
記者「どうも記者です」
忍「勝ったでござるー」
記「なんともヒヤヒヤさせられた勝ち試合でした」
忍「後半は酷かったでござる。相手が前からのプレッシャーを強めてレオ・シルバに前を向かせてくれないと、こういうことになる、という典型的な流れで」
記「今シーズンの継続課題ですね」
忍「それでも自力でけっこう何とかしてしまうレオは本当にすごい」
記「では順番に振り返っていきましょう」
忍「まず先制点」
記「それ言っちゃいますか忍者さん」
忍「この試合を語る上では避けて通れぬ故。恐らくジャッジリプレイで取り上げられるので、詳しいプロの見解はそちらを確認いただきたいのだが……」
記「忍者さんはどう思われるんですか?」
忍「『理想論としては主審か名古屋グランパスの選手が試合を止めるべきだったが、現実的に困難で、止まってない以上、得点はルールの範疇』と思う」
記「どういうことでしょうか」
忍「Jリーグの脳震盪ガイドラインにおいて、主審は『脳震盪の可能性がある強い頭頚部の接触があったか』を判断し、そうであれば試合を止めるべきとされている」
記「それってどう判断するんでしょうか」
忍「そのあたりの基準や見方も恐らくジャッジリプレイで出ると思うのだが……基本的には選手の反応でござろう」
記「倒れ込んで動かないみたいな感じでしょうか」
忍「恐らく。ほんのちょっとの当たり所や角度で結果は変わるので、パっと見た感じ頭と頭が強く当たってたから、で判断するのは非常に困難だと思われる。ヘディングの競り合いで頭同士の衝突があった場合でも、止めるのはプレーが切れた後のほうが多い」
記「そうすると、痛がってても動けているか、そもそも動けないくらいダメージがあるか、は見極めに少なくとも数秒はかかりますよね」
忍「ちょっと余談だが、実はこの忍者も過去に脳震盪をやらかしたことがござり」
記「そうなんですか。どういう状況だったんですか」
忍「自転車で塀に正面衝突して額を強打した」
記「…………アホですか?(自転車乗れるんですね、忍者さん)」
忍「心の声と実際の声が逆ではないか。まあともかく、実際に脳震盪クラスの衝撃だと数秒とはいえ記憶・意識が飛ぶしすぐには動けない」
記「なるほど、つまり脳震盪かもしれないぶつかり方なら、ぶつかって倒れて数秒……例えば3秒くらい観察すれば判定できるかも、という感じですか」
忍「そこでグランパス先制点のシーンだが、福岡の選手どうしで接触してからきっちり10秒後にゴールが決まっている」
記「永石拓海選手が倒れ込んで停止した時点からだとだいたい6秒~7秒後のゴールでした」
忍「そうすると、主審が『脳震盪かもしれないので試合を止めないとマズい』と判断できた最速のタイミングは、稲垣がシュートする瞬間あたりだったはずでござる」
記「そしてそのままこぼれ球を森下が蹴り込んじゃいました」
忍「理想論としては稲垣のシュートから森下のシュートまでに主審が試合を止めるべきだったのでござろう」
記「しかしプレーオンだったので主審としては倒れた選手だけを見ているわけにはいかないし、実際の秒数的に非常に難しかったでしょうね」
忍「敵ながら、福岡にとっては不運だったと思う。ただ味方選手どうしの接触はファールではないので試合を即座に止められない。脳震盪かもしれないなら止めるがその判断には数秒かかる、というルール構造上の問題がある。永石拓海選手の回復を心からお祈り申し上げる」
編注:西日本スポーツの報道によると、主審の判断は以下のようなものだった【頭部が接触した場合はプレーを止めるとされているが、前は「体の接触が先という(審判の)判断だった」と振り返った。】
記「そしてルキアンのアレでした」
忍「忍者個人の見解だと強く強調した上で言わせていただくと、あれはグランパス守備陣がだらしなかったと思う」
記「えー、でもあれは普通返されるボールですよね」
忍「少なくともミッチはルキアンの動きに反応してゴールまで下がっていた。位置的には藤井が対応すべきところだったが、無防備過ぎたであろう」
記「ルール的には問題ないですもんね」
忍「マナー的にはともかく、相手があれをやってくるかもしれない、という警戒心が少しでもあればああいう対応にはならかったはずでござる。藤井にはいい勉強になったのではないか」
記「グランパスの2点目もそこからの流れでした」
忍「多くは言わないが、長谷部監督に心からの敬意を表したい。残留かかった試合であれを実際にやれる監督が世界にどれくらいいるだろうか。『残留争いをしているチームの監督』としては賛否両論あろうが、一人の人間として、そしてサッカー関係者として本当に素晴らしい振舞いだったと思うでござる」
記「そして永井のゴールが決まって1-3で前半終了でした」
忍「後半からは福岡がシステムを変えてハイプレスを仕掛けてきた」
記「対するグランパスは引いて構えちゃいました」
忍「2点リードしてて相手は前がかりに攻めてくる。だから引いてカウンター狙い、というのは非常に論理的ではござるが」
記「だったら耐えきらないといけないしカウンターから追加点を取らないといけないですよね」
忍「それができなかった以上、その戦い方の選択は結果論として失敗だったでござろう」
記「後半のグランパスの戦いぶりはだらしなかったですね」
忍「自分たちでボールを持つ時間を確保できないとああいうことになるのでござる」
この試合の良かったところ
- 永井のターンしつつトラップする技術は東京時代に身に着けたんですね
- そうそう、それだよナウド! と言いたくなるナウドのプレーぶり
- 柿谷はやっぱり必要な戦力だと思わされた
- やらかしもあったけど魂の守備を見せた藤井、中谷、チアゴにミッチ
この試合の(´ε`;)ウーン…
- 外から放り込むクロスの可能性の感じられなさはキツい
- 稲垣、レオを消された状態でどうプレーするか心を整理して欲しい
- プレーと直接関係ないところで色々言われるのはファンとしては本当に嫌ですね
最後に
記「残留を大きく手繰り寄せた勝利でした」
忍「まあこれで確率的には99%くらい残留でござろう」
記「あと1勝できれば100%になりそうですね」
忍「そうしたら、あとは『来シーズンに向けた戦い』を見せて欲しい」
記「忍者さんは不満そうですね」
忍「正直、このサッカーだからこの順位だと思ってしまったでござる。そうじゃないんだ、本当はこういうサッカーで勝点を稼ぎたいんだ、そんな姿を見たいもので」
記「でも、まずは残留を確定させてからですね」
忍「おあとがよろしいようで」
記「それではまた次の記事でお会いいたしましょう」
忍「ニンニン」