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ファーストプレスが運命を決める セレッソ大阪戦マッチレビュー #grampus Y0247

前節心配した危うさに、見事にやられる形となった。失点の質という観点でいえば、個人のエラーというよりは目的と手段の部分にある。そのあたりをワンポイントで振り返っていく。

試合情報

セレッソ大阪・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
セレッソ大阪・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
  • 2026年5月17日
  • C大阪 vs 名古屋:6−1
  • 天候/気温/湿度::晴れ / 32.5℃ / 20%
  • 主審::大橋 侑祐

毎度おなじみ3枚vs3枚

セレッソは基本的に、前から3トップが3バックへ制限に入る形。

4バックにするとチアゴが2枚を追う形となり、噛み合わせは後ろにズレることが多い。

4分18秒からのように、ボランチが噛み合わせを足しに行き、IHが残ったボランチ脇で覗くのは良型である。4バックでトップ下が2CBに合わせると、8分34秒からのように内田が受けてからの展開が可能となる。

ハメられるけど中央が覗きやすい形
ハメられるけど中央が覗きやすい形

7分49秒からのように、GKが絡んで3バック+SBを作る形でも、セレッソはSBを捨ててまでプレスに来るため、ボランチ脇の浮きはかなり目立つことになった。ビルドアップで噛み合わせが悪いので、セレッソは無理にSHを上げず、IHを消すような形を取ることもあった。SHが下がってくれると運びやすいので、13分27秒からのように運んでからの選択がしやすい場面もあった。

ただ、この試合でもったいなかったのは、こういった運んだ場面で外の対角の1v1を選択することが多かった点である。この場面でも、木村の縦のギャップを作るところよりも外の1v1へ先に出してしまい、相手がズレていないところからスタートしていた。SHが下がってキャリーがしやすいだけに、高嶺、藤井が一列超える動きが極端に減ったように見えるのは「らしくなかった」。運ぶことでボールを晒す係である内田の負荷も、もう少し減ったように感じる。(京都戦で外側の質で勝負をつけられた分、楽をしたということだろうか。中の枚数が足りている分、セレッソは外に引っ張られない。15分20秒からも、キャリーして3列目を引き出したりする時間がないと相手の守備が変わらない。)

SBが空く形
SBが空く形

15分以降、SHが下がって対応するセレッソに対して、15分58秒からのようにSHを手前に引き出してから外を使わないとSBが出てこない展開となった。これもあって、よりSHに向かってどこかで運んだりする動きをつけていきたい状況だった。

25分17秒までほぼ野上が使われない展開だったが、ようやくセレッソのSHが藤井に来るタイミングでのアクションができたことで野上が運び、キャリーの展開の中で逆サイドを使えるようになった。縦向きのキャリーで、セレッソがサイドの偏りを見せているのがよく分かる場面である。徳元が内に走ってSHをピン留めし、中山を浮かせている展開など、セレッソの守備ブロックの広げ方は秀逸だった。

目的と手段

中央のフィルターが存在しない状態での失点が続いたわけだが、その片鱗は開始から見えていた。心苦しいが、局面を切り取って振り返る。

5分21秒から、オフサイド後の再開のファーストプレスの段階でかなり怪しかった。石渡がもらいに行ったので、内田は出ていく判断をした。その後クールズに戻されるわけだが、ここで2度追いでクールズに行かない判断と、石渡には出ていく判断が一致していない。木村がクールズに出ていくのは、後ろにCBがいること、パスゲートを埋める関係上、選択肢としてはない。となると、内田が出ていく時点でチームの指針は「ハメに行く」目的なわけなので、石渡→クールズの2度追いは内田本人の前提となる。後ろの中山も、ハメに行く形に舵を切った内田の選択についていくように、2度追いの後の石渡を消しに行く出足を見せていた。内田のファーストプレスの出足は、そのぐらい「このタイミングの局面での守備の指針を決める」重要なワンプレーだったのだ。

この局面、セレッソの方が「ハメに来られるスタンダード」を理解して準備していたのが分かるのが、奥田が山岸の裏に絞っていった動きである。ハメるなら内田の2度追いは必然なので、石渡を切りながらクールズに出てくる予想が立つ。外から詰められるので、クールズの選択肢は井上か奥田だった。内田と木村のプレッシャーがなくなり、クールズがロングボールを出すタイミングで、井上と奥田が見事にパスを呼んで手を広げている。

このように、サッカーはピッチが広く自由がありつつも、局面で選択した指針に対して「こうやって返す」というような、攻守のプレー選択のスタンダード的な動きは存在する。

今回、チアゴが中山の裏に走ったわけだが、これもハイプレスでクールズまで「ハメる」という指針で動き出したら、こういったボールもフリーでは出させない、というところまでセットになっている。

守備の指針をどう決めるか?
守備の指針をどう決めるか?

マンツーマンといえど、その先の守備の指針は何なのか。その局面での戦術を機能させるために「どう動いたらいいのか」。マンツーマンディフェンスは手段であることを再確認すると同時に、難しいチームの守備指針を決めるファーストプレーを担った内田には、相当なプレッシャーがあっただろうと察する。

今回の局面の取り出しでは内田にフォーカスすることとなったが、この試合では、こういった守備指針のプレーと選択した守備戦術の中で取るべきプレー選択がズレる展開が、各選手に非常に目立った。本質は、京都戦でも言及した「スペースを捨ててまでプレスに行く意味」と同じである。

3失点目も、木村より中山が詰めて「プレス」に指針を決定した時、後ろの配置の状況はどうだったのか。高嶺が攻撃の局面の形から最終ラインに吸収されている状況から、守備局面に切り替わってすぐにプレスにする意図は何だったのか。全員が、中山が詰めるという指針に対して賛同できる配置状況だったのか。

上手くいっている時は、意外と守備の局面は常時マンツーマンでもなく、形を整えるために木村、山岸が突っかけに行って時間を作りながら、5−3−2的なブロックから「誰が出ていくか」を探る時間があったりするシーズンだった。

試合雑感

  1. 1失点目は、中山、高嶺、徳元のマークの受け渡しをパニックにさせたセレッソのサイドと、藤井が流れた時点でスペースの受け渡しで2列目がなくなった名古屋のバグり方が辛かった。バグったら人を足す、がベースである。高嶺と内田が受け渡しの都合でイレギュラーになったのなら、前から2枚足さないとマンツーマンとスペース管理は共存しない。和泉だけに甘えていては間に合わない。
  2. 中盤がボールを晒せないと思ったのか、長いボール連打の後ろの展開でIHも降りづらくなった。大外が空いているとはいえ、あれだけ前半から外の連打で中盤がボールを晒したり、後ろがキャリーする気がないと、受けて縦にずらす展開にはならない。マークを寄せる展開を後ろ2列全体で作る気が見られなかった。
  3. あまりに対角を気にしすぎて藤井→野上&和泉が極端に減ったのは、内田の覗き方、もらい方の負荷につながっている。(21分25秒からのSHが目の前まで来ている展開で右で作らない選択など……)
  4. 実は京都戦でも山ほどやられたワンツーの抜け出し。プレスに行くしかなくなると、やりたい放題である。3失点目、4失点目は、遅れたプレスとスペースを使われるワンツー。配置を見てプレスに行かない選択をするしかない。

最後に

90分敗北のため、追加なし。第17節終了時点で、

今シーズン獲得賞金(理念強化配分金+特別助成金を除く):6200万円

久々の追加賞金無し。いよいよ最終節。

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