グラぽ

名古屋グランパスについて語り合うページ

メニュー

2019年J1第6節鹿島アントラーズ戦マッチレビュー鹿島の神に、勝負強さを問う

「ねえお婆ちゃん。グランパスにかんけいあるお話を聞かせて」

「いいともさ。むかしむかしのお話じゃ………。日本の鹿之国にはジーコと言う名の神様がおった………。ジーコは『ジェイリーグ』とワシらが読んだ神々の戦で鹿之国軍を率い、常に先陣を務める程の勇猛果敢な神じゃった。特に、リネカー神率いる名古屋鯱軍との戦いでの戦功は抜群。日ノ本に並ぶ者無しとまで称えられた………。しかし、そんなジーコも衰えには勝てなかった。引退が避けられない中、鹿之国軍の将来を憂えたジーコは、自らの持つ鯱絶殺力を込めた一振りの剣を鍛え上げ、笑顔で現役引退なさったのじゃ………。そして時は流れ………鹿之国にあるカシマスタジアムには、Jリーグ五剣の一つ、宝刀『鯱切り』が眠っていると言われている………。鹿之神ジーコが鍛えたその宝刀は年に数日間だけ姿を現し、鹿の戦士達の足に宿る………。鯱切りを宿した鹿の戦士達はどんなに個人の調子が悪かろうがチームの負けが込んでいようが名古屋鯱軍との試合ではたちまち息を吹き返し、今日は勝てるやろと思っていた鯱家族をMINAGOROSHIに処するという………。」

(Jリーグ奇譚第1巻、鹿之国の章より)

はじめに

敗けましたねー! しかも逆転負けでしたねー! 個人的に本業が忙しくてリアルタイム観戦できなかった僕的には、『見る前から苦行が確定』の敗戦は何ともモヤモヤするものではありますが、まあどうせ負けるとわかっていればドキドキの無い代わりに悔しさも比較的弱い状態で観戦できるというものです。

グランパスのスタメンとフォーメーション

前節に引き続きのアーリアFWの4-4-2でした。

前節が風間ヤッヒーのグランパス史上最高の出来の試合の一つと言っていい内容だっただけに、特に変更する理由はありません。自分たちの戦い方で相手を押し潰してやろうという姿勢は見て取れました。対する鹿島もいつも通り4-4-2でセット。鹿島と言えば4-4-2。ただし同じ4-4-2とは言えグランパスとは異なり、鹿島は後ろ4枚はペナルティエリア幅を守り、前4枚+1枚(FW一人)は全体がスライドしてサイドで敵を窒息させる守備です。

前節の相手、札幌と比べて、ボールを持っている選手が窮屈なプレーを強いられた鹿島の守備、流石でした。そんな鹿島相手にグランパスはどんな戦いぶりだったのか? ボールを相手から奪えた位置を基に、読み取ってみましょう。

前半のボール奪取位置

画面越しに手元で集計したボール奪取位置および回数がこちらです。

敵陣でのボール奪取回数=それだけ前でボールを奪えたということ。逆に自陣でのボール奪取回数=それだけ攻め込まれたと言えるでしょう。

前半ではお互いの中盤で拮抗しつつ、お互いにけっこう相手陣地でボールを奪えていたとわかります。まず、特に目につくのは自陣左寄りの位置でのボール奪取回数。これ要するに米本の守備力の賜物と思われるんですが、だいたいここで鹿島の攻撃を潰していたってわかりますね。対して、自陣中央から右寄りでは意外と鹿島にボールを奪われていたりもして危ない感じ。とは言え敵陣地でもボールを奪えているので、今シーズンやろうとしている『敵陣地でのボール即時奪回』がそれなりにはできていた前半だったではないでしょうか。

後半、どうなったか

後半、グランパスが先制してから、鹿島は追いつくために前に出てきました。それがわかりやすくボール奪取エリアに出ていたように思います。

後半では、前でほぼ奪えなくなったグランパス。一方鹿島もそう前で奪えているわけでもない。つまり、『お互い自陣で奪う』→『そのままカウンター気味に攻め込む』→『敵陣で奪われる』の繰り返しになってしまっていたと思われます。

前後半を比べてみよう

これまでの話、前後半とで比較するとより分かりやすいかと。

前半と比べて、後半では明らかに前で奪えなくなっていますよね。鹿島が追いつけ・追い越せのためにかなりDFラインを上げてきた結果とは言え、かなり露骨に前で奪えず押し込まれている。何故そうなってしまったのでしょうか?

前から奪えなくなった原因とか(推測)

恐らく、全員の体力の消耗によるでしょう。その要因としては次のようなことが考えられます。

  • 金Jだったので、いつもより回復に使える日程が1日少なかった。
  • カシマスタジアムの芝の長さ(25㎜-30㎜と言われている:瑞穂やトヨスタよりもかなり長い)により、パスもランニングも普段よりかなり力を要し消耗させられた。
  • 鹿島のビルドアップを捕まえられず=前から奪えずに行ったり来たりの展開になって消耗させられた。

特に芝の長さはかなり影響したんではないかと。カシマスタジアムのいつものことではあるんですが、かなり体力を消耗させられるようですね。この芝はボールを動かしたいチームにとってかなりのディスアドバンテージ。かと言ってグランパスは相手に持たせてカウンターを狙うなんて戦い方を使い分けられるチームではないので、真っ向勝負で負けた、これは仕方なかったというか、今の実力が出たのかなと思います。理想としてはもっと柔軟な戦い方ができるようになると良いんですけどね。

失点シーンについて

1失点目は、こちらの守備から、宮原→ジョーへのクリアっぽい縦パスをカットされての失点でした。宮原がジョーへパスを出した瞬間に、グランパスの選手は攻撃へ切り替えるために前進しようとしていて、そこへ予想外のカウンターを食らったから一たまりもない。人数は揃っていたかもしれませんが精神的には準備できていない失点状況だったかなと。1失点目は正直仕方ない失点だったかと思います。

2失点目はどうでしょうか。レオ・シルバがグランパス選手達の守備範囲のゾーンを完全に見切った結果のゴールではなかったかなと。

あの局面、このように、シャビエルが曖昧に空けたエリアにドリブルで侵入され

シミッチはピッチ中央を見ていた分、反転するのに時間がかかりレオ・シルバについて行けず

最後は和泉と中谷の間を突かれてしまった。このシーン、宮原が右サイドバックだったら………という声もありますが、私見ですが宮原が残っていても結果は変わらなかったと思います。何故なら、グランパス守備陣の抱える『曖昧な場所へ侵入された場合の約束事の無さ』をレオ・シルバに完璧に使われてしまった結果だからです。強いて言うならシャビエルが中を締めるべきだったのかなー、と思いますが、防げたようで防げなかった失点だったのかなと。

最後に

Jリーグ有数の試合巧者かつ堅守の鹿島を相手に、まだまだ勝ち切る力が足りないと突き付けられた一戦でした。しかし、それでも決して一方的にやられたというわけではなく、鹿島をかなり追い込んでもいたはずです。鹿島的には、ある程度グランパスにボールを持たせるのは想定内だったかと思いますが、60%を超えるような保持をされて、かつ失点してしまうのは想定外だったはず。失点後に致し方なく前に出てきたら、ちょうど疲弊していたグランパスの選手達にとって絶妙に嫌なハマり方をしてしまった。そんな試合だったのかなと。紙一重の敗け、それでも敗け。鹿島はそういう試合で勝ちを拾うことに伝統的に長けたチームで、グランパスは伝統的に勝負弱い(苦笑)。まだまだ成長の余地がある。まずは選手達にしっかりリフレッシュしていただいて、アウェー横浜戦で成長した姿を見られるように、期待しましょう。

Leave A Reply

*

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE