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玉田さんの栄光とその後に

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はじめに

この記事では玉田の契約満了の是非については一切言及しません。『お疲れ様でした』と『玉田がグランパスで果たしてきた役割』と『after玉田』について書こうと思います。予めご了承ください。

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玉田さん、本当にお疲れ様でした

玉田圭司が契約満了=グランパス退団とリリースされました。お疲れ様でした。本当にありがとうございました。年齢、経歴を考慮して、選手として3度目のグランパス加入は無いと思われますから、今年の最終節、ホーム湘南戦がグランパス最後の試合となるのでしょう。ひょっとしたら、お若いグランパスファンだと知らないかもしれない、玉田のグランパスでの栄光を振り返ってみましょう。

玉田とグランパスの平成

今でこそ多くのグランパスファンから愛されている玉田ですが、グランパスファンとの出会いはそんなに良いものではありませんでした。

「守備はザル」発言から始まるストーリー

実は玉田、最初の所属チームの、柏レイソル時代にグランパスと対戦しています。中でも2004年の試合の内容が『玉田率いるレイソルが優勢に試合を進めるものの、1-0で勝ったのはグランパス』というもので、試合後インタビューで

記者「相手(グランパス)の守備は堅かった?」

と言う質問に対し
玉田「そんなことはない。ザルぐらいでしたよ。」

という名言(迷言?)を発し、当時、グランパスファンから割と怒りをかったり笑われたりしていました。『チャンスを多く作ったのに決め切れなかった自分達への怒り』『敗戦の悔しさ』『そもそもまだ若くてちょっとオラついていた』あたりの要素が絶妙にミックスされた結果、つい言っちゃった言葉だったと思われます。今となっては笑い話、ああ玉田もまだ若かったよね(笑)、くらいのもんですけど、実際グランパスファンからの評判はあまり良くなかったはずです。

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1度目の加入の経緯

2005年、バレー×6によりレイソルのJ2降格が決まり、グランパスが玉田獲得に動くとの報道が出てきました。当時のグランパスの事情として、絶対のエースだったウェズレイや、そうなるはずだったルイゾンの退団後で、ストライカー不在でした。自分で点も取れるんだけど、どちらかと言えばチャンスメーカーだった玉田の獲得については、玉田本人のそういうコメントもあり、「補強ポイントはそこじゃないだろー!」という声が主流だった記憶です。と言うか僕もそう言ってました大変申し訳ございませんでした。あんまり金に余裕のなかったグランパスはレイソルからレンタルで獲ろうとしていてようなんですけど、レイソルがそれを認めずに完全移籍。移籍金は3.5億円と報道されていたような記憶です(うろ覚え&当時の記事がググっても出てこなかったですすみません)。

グランパス初期:セフ・フェルフォーセンとのミスマッチ

2006年のグランパスは前年までの体制をほぼ解体し、育成に定評のあるセフ・フェルフォーセンを新監督として招聘し、若手を多く獲得し、一から出直そうという時期でした。阿部翔平、竹内彬や井上渉とかはこの年からでしたね。問題は、本職かつ強力なセンターフォワード不在が解消されていなかったこと。玉田獲得で金が無かったことも関係していたはずです。セフは基本的にポストプレーの得意な、かつ決定力のあるFWを軸に攻撃を組み立てる監督だったので、消去法的に、技術のある玉田がポストプレー約を担うように求められ、得意じゃないプレーを求められた玉田の調子は上がらずと、悪循環に陥ってしまいました。そんな玉田を変えたのは2008年からの新監督ピクシー・ストイコビッチとの出会いでした。

グランパス黄金期:ピクシーの信頼に応えた玉田圭司

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監督としてのピクシーの評価は良いも悪いも色々とあるでしょうけど、『主力選手のモチベーター』としては間違いなく優秀でした。ピクシーは玉田に「チームで1番上手いのはお前だ」と声かけして、前監督のセフと比べピッチ上での自由を玉田に与えました。監督からの信頼と、得意なドリブル等のプレーをやる自由を得た玉田は完全に復調。何よりも2009年にグランパスに加入したジョシュア・ケネディのターゲットマンとしての働きが素晴らしく、ケネディの衛星として動き回り玉田本人のゴール数も増え、2010年の優勝と、2011年の2位の原動力として躍動しました。2010年の13ゴール、2011年の14ゴールは玉田のシーズンベスト1位&2位で、この時期の玉田の全盛期っぷりを端的に表しているでしょう。この2年間はケネディも17ゴール、19ゴールとFW二人で30点以上取ってくれており、「グランパスのサッカーはつまらない」「でも個人の力で点を取って勝つ」とJファンから羨望混じりの貶し文句を言われていたりもしました。

グランパスと1度目のお別れ

2012年以降、怪我がちになり、2013年は良かったものの2014年はJ1で17試合2ゴールという本来の力とは程遠い結果に終わりました。既に33歳となっていたこともあり、契約満了・退団が発表されました。2014年のホームラストゲーム前、響き渡る玉田チャントに涙する玉田は近年最大の名場面の一つではなかったでしょうか。退団は残念だったものの美しくお別れできた1度目のお別れでした。

グランパス2度目の加入と、それから

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このあたりからはもう皆さんご存知のとおりだと思います。2016年オフに復帰し、荒れまくっていたグランパスファンの心を救い、何よりも年齢を感じさせないプレーでチームの勝利に貢献してくれました。惜しくもグランパスでのJ1通算100ゴール到達は成りませんでしたが、来年にどこかでそれを達成することを祈っています。

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after 玉田圭司

玉田が退団したグランパスはどんな戦い方をすべきなのか、玉田が果たしていた役割から感がえてみましょう。

後方と前線を繋ぐリンクマン

ズバリ、玉田は果たしていた役割はこれです。

今年後半のグランパスでは、ボールを保持し繋ぐ局面で玉田が良く顔を出し味方を助けていました。最後までハイプレスへの脆さを解決しきらないままだったグランパスですが、左の玉田と右のシャビエルが顔を出すことで、なんとかボールを保持し、前進できていたと思います。言い換えれば、二人が顔を出さないとイマイチ前進できず、最終ラインからのビルドアップにはまだまだ改善の余地を残していました。

本来どうあるべきか、何故できなかったのか

玉田やシャビエルは、本来もっと相手PA角で決定的なプレーをすべきでした。彼らがあまりそれをやれなかったのには、二つの理由があると考えられます。

理由1.プレー機会そのものの少なさ

ずばり言えばビルドアップの拙さの割を食った格好です。玉田が前にいてもボールが来なかった。良いところに居ても、ボールが来なければプレーできるはずもありません。

理由2.プレーの質が不十分だった

数少ない、良い形でボールを貰えた時のプレーの質も不十分でした。何故なら、そこを問題視したからこそ、クラブが契約非更改と決定したはずだからです。

最終ラインからのビルドアップの改善を!

繰り返しますが、丸山やネットの加入により改善したものの、最後までビルドアップの質は不十分でした。玉田やシャビエルのような位置の選手達がああも下がって助けなくては前進できないようでは、彼らの攻撃力を十分に発揮できません。最終ライン+CHを中心に、もっともっとボールとチームとを前進させて相手を押し込むことが、2019年の最重要課題の一つだと思われます。

玉田の補充ではなく補強を求める

玉田と同程度の実力の選手であれば、人気や貢献度を考慮しても、玉田を出してまで獲る意味がありません。玉田と比べて、より質の高い選手を獲得してくれないとガッカリと言うか多くのファンが感情的に納得できないでしょう。強化担当部門はよろしくお願いします。

ちょっと心配なピッチ外の役割

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加入してきた選手達が口を揃えて、玉田、寿人、楢崎達ベテランの雰囲気作りやサポートに感謝していましたよね。そのあたりがゴッソリいなくなる(寿人と楢崎はまだ公式発表されてませんけど)わけで、誰かが何とかしなきゃいけません。単純に最年長となるのはジョーと武田ですが、やはり日本人選手じゃないとちょっと難しいところもあるし、武田はそういうキャラじゃなさそうだし、そうするとキャプテン小林なのか選手会長和泉なのか、コミュ力高そうなアーリアなのか。ただでさえピッチ内の苦労マン小林にそんなタスクまで押し付けるとヤバイことになるかもしれないので、ここは丸山あたりに期待でしょうか。誰でも良いし、必ずしも特定の誰かを中心にする必要は無いかもしれませんが、2017-2018年のチームの雰囲気の良さをなんとか継続・発展させて欲しいですね。

最後に

お別れの場があると良いなあ………。

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Comments & Trackbacks

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 玉田って風間サッカーにとっても重要なピースだったと思うんですよね。
    チームの調子が悪い時、寿人なんかは結構監督批判めいた事をチクチク言ってましたが玉田はずっと監督を支持しつつチーム・選手個人のさらなる向上を求めている感じでした。
    何より本人が楽しそうに前向きに取り組んでいるのが好印象でした。
    このサッカーってまず信じてやってみない事には始まらないのでね。
    最終節のハーフタイムに「やるのはいましかないだろ」と声を掛けた玉田の役割を来季一体誰が引き受けるのか心配です。
    キャプテンだけならきっと丸山でも出来る。でも彼はディフェンダーであり最優先はやっぱり安全であり失点しない事。
    ボールを繋ぐというコンセプトを大事にしつつリーダーシップを取れる存在というのはなかなか見当たりません。
    個人的には和泉に期待したいところです。

    • コメントありがとうございます。
      気持ちは強くお察しします。自分もかなり近い感想です。
      不安がなかなか拭えないですね。

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