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2019年J1第5節北海道コンサドーレ札幌戦マッチレビュー その男、潤滑油につき

※この記事は試合中にビール2.5リットルを飲み干した状態から書き始めています。

完勝だー! 4-0という結果が何よりも雄弁ではないでしょうか。ガンバ戦が2-3の結果以上の完勝だったとするならば、この札幌戦は『結果通り』の完勝。もうね、最高です。最高の週末です。現地はお祭りだったことでしょう。素晴らしい雰囲気だったに違いない豊田スタジアム、最高だ。さて、この試合について語るならば絶対に外せない選手がいますよね。まずは語らせてください、グランパスのグルテンフリーマン、長谷川アーリアジャスールについて。

長谷川アーリアジャスールの旅

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横浜F・マリノスのユースからトップに昇格したアーリアはその後、東京、セレッソ、サラゴサ(スペイン)、湘南、大宮を経てグランパスに加入しました。これまでのキャリアでは東京時代の活躍が最高で、特にトップ下の位置でカウンター時の前への推進力を発揮。そのプレーを評価され日本代表にも召集されましたね。ところが、2014年のセレッソ、2016年の湘南、2017年の大宮と3チーム連続でJでの所属チームがJ2へ降格してしまい、『降格請負人』という不名誉極まりない蔑称で呼ばれることもありました。グランパスファミリーの皆さんならお分かりだと思いますが、一人の選手の責任で降格するなんてことはあり得ません。失礼にもほどがある蔑称でしたが、一度そういうイメージがついてしまうと、なかなか払拭できないもの。グランパスへの加入時にも

降格請負人のアーリアが加入したからグランパスは降格

と口にする人を実際に見ました(冗談だったかもしれないけど、冗談としては程度が悪い)。どうもその蔑称はアーリアの耳にも入っていたようで、本人も気にするコメントをしていました。

グランパスでのアーリア

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2018年開幕戦で印象的な働きをした一方、チームの下降とともに自らのパフォーマンスも下降気味だったアーリア。いつしかグランパス界隈でもごく一部の方から

アーリアが出ていると勝てない

なんて声が出て、更には勝った試合時に

今日の試合に勝てたのはアーリアが出ていなかったおかげ

などの声があげられるように。これね、いくらなんでも言っていいことと悪いこととがあると思うんですよ。実際に試合に出た上でのパフォーマンスへの評価はプロスポーツ選手な以上、避けられないものだけど、出てない試合で「あいつが出てなかったから勝った」これは酷いし、下品すぎる。まあ、もちろん、そう言ってた方も恐らく冗談で言ってたんだと信じたいけど、冗談にしてもやはり程度が低すぎる。

そんなアーリアの長所短所って?

僕が見るに、基本技術が高く、狭いとこでもボールを受けて単純に周囲を遣うようなプレーが上手で、前を向いた状態で前方にスペースがある局面での『前に進むプレー選択』に優れる。一方、対人守備がそんなに強くなかったり、相手にプレー選択肢を削られると一気に困って・悩んでいたりもしていました。グランパスではインサイドハーフやセンターハーフでの起用が中心だったものの、そこまで視野の広い感じではなかったので、中盤センターでの起用はけっこう厳しかったのかも。かと言って2018年では他に有力な中盤の選手もおらず、最適ポジションではなさそうなんだけど他に人がいなくてどうしよう、といったアーリアでしたね。

米本・シミッチが解き放ったアーリア

https://grapo.net/2019/03/28/9511/

中盤に米本とシミッチが加わり、実力者小林裕紀もいることで、アーリアのセンターハーフ起用にこだわる必要はまったく無くなりました。ここで選手の魔改造・コンバートには定評のある風間ヤッヒーの決断は『アーリアFW起用』。この起用には大きく分けて二つの意味があると僕は考えています。

1.パスコースを切る守備

まずは友人ナッキーさんの素晴らしい記事&をご覧いただきたいのですが………

https://www.footballista.jp/column/62860

今のグランパスのFW二人にはまず相手後方からのビルドアップを阻害する守備タスクが与えられています。前節スタメンだった赤﨑も頑張っていましたよね。元々、グランパスでは中盤中央で修行していたアーリアは1対1での対人守備には難を抱えるものの、パスコースを切ることについてはまったく問題なくやれていました。むしろ赤﨑よりも守備では効いていたかもしれません。本職FWの赤﨑は、サボらないけどそこまで守備が上手いというわけでもなかったですよね。余談ですが、前田直輝がベンチ外なのは、恐らくこの守備タスクへの理解が足りていないからだと僕は推測しています。

2.最前線での司令官・潤滑油

典型的ストライカーのジョーや赤﨑と比べ、周りを使えるアーリアが前線にいることで、グランパスには司令官が3人いることになります。

シャビエルや和泉ももちろん周りを使えるのですが、より単純に空いたスペースと周囲を使えるアーリアが最前線にいることで、この試合では分厚い攻撃をできてましたよね。司令官と言うよりも、ひょっとして潤滑油と言うべきかもしれないアーリアのヌルっとした繋ぎのプレーで、アクの強いアタッカー陣がヌルヌル繋がれていくプレーぶり、ステキでした。

「自己紹介をお願いします。」

長谷川アーリアジャスールです。私を例えていうなら潤滑油のような人間で、実際に名古屋グランパスの前線は私のプレーによってかみ合わせが良くなり上手く回るようになりました
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さて、試合は

https://migiright8.hatenablog.com/entry/2019/03/27/080000


https://grapo.net/2019/03/30/9518/


友人みぎさんとナッキーさんのプレビューで、グランパスにとって理想的な展開で進みました! 終了!

………いや、ふざけてるわけじゃないです、本当にそうとしか言いようがないくらいの完勝だったんです。ただ、それだけだとあまりにも淡白なので、一つポイントになったかなーと思うことを。

囲まれても動じないシミッチ

グランパスがビルドアップをしようとする場合、当然シミッチを中心にするわけで、札幌もそこを防ごうという意図は見えました。

ところが、相手選手に囲まれても(図は一例ですが、本当にこういう場面があった)技術に裏打ちされた自信でもって動じないシミッチ、そしてパスの受け手として素晴らしい動きをしていた和泉やアーリアのおかげで、パスコースが切られておらず、特に苦も無く前進していました。ボールホルダーへのプレッシングはパスコースの限定とセットじゃないとイマイチ有効じゃない。それ去年と一昨年のグランパスが散々言われたやつだから。

目立った人:和泉竜司について

ここ最近、左サイドハーフでの出場が続いている和泉竜司。とにかく相手の裏でボールを受ける姿が目につきます。ヤッヒーの教え「相手の矢印の逆を取る」がある程度以上の質でできてきた証だと思います。和泉がボールの受け手として機能し、相手にとって嫌らしいところでボールを受けるプレー、グランパスの攻撃を支えています。どうして和泉がそこでボールを受けられるのか? それはボールのないところで相手を剥がしているから。絶え間なく動きパスコースを作るシミッチと同様に、和泉もまた絶え間なく動きパスを受けるコースを作り出している。和泉の動きに注目して試合を見直してみるの、けっこう面白いですよ。

最後に:手のひら返しするチャンス

アーリアを悪く言ってた皆さん! あるいは懐疑的だった皆さん! この試合だったら手のひら返しても誰も何も言いません! 堂々とアーリア良かったって言ってやりましょう!

次節は金Jアウェー鹿島戦。今日のようなパフォーマンスができれば勝てるはず。選手の頑張りに期待しましょう。そして最後にこれだけ言わせてください。

去年ボコられた札幌への勝利、最高や!

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