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ナウドと2022年の名古屋グランパスの求めるFW像 #grampus

グランパスのフォワード

現在グランパスに所属しているフォワード(以下FW)は柿谷曜一朗・酒井宣福・マテウス カストロ・レオナルド(ナウド)・相馬勇紀・シュヴィルツォク・金崎夢生・石田凌太郎です。このうち、酒井宣福の復帰は早くても8月、クバは仮に今月にも無実が証明されたとしても9ヶ月プレーをしていない状態ですので、復帰までに1、2ヶ月は掛かってしまい、今シーズンの大半が終わってしまいます。相馬勇紀はウィングバックに転向してしまっています。金崎夢生の動向は謎ですが、大きな怪我をしているわけではなさそうです。石田凌太郎はこれだけ与えられているチャンスを活かせていません。ナウドは未知数です。実際に起用されているFWは柿谷曜一朗・マテウス カストロ・石田凌太郎の3人のみ、というのが現状です。ヤクブ・シュヴィルツォク加入時からどう状況が変わったのでしょうか。

FWの6パターン

最前線にいる選手を類型してみるとだいたい以下の6パターンになると思われます。

  1. クロスやパスを収めてシュートする(ストライカー)
  2. クロスやパスを収めて他のアタッカーにラストパスを出す(ポストプレー)
  3. ゴールキックやロングフィードを収めて他の選手に繋ぐ(ポストプレー)
  4. プレスをかけて相手のセンターバックやセントラルMFの自由を奪う(1st ディフェンダー)
  5. 相手の守備を剥がしてドリブルしたり、守備の穴を突いて得点に繋がるプレーをする(チャンスメーカー)
  6. プレスの方向と枚数が限定されるサイドで勝負し、振り切ってクロスを上げたり、カットインしてシュートする(チャンスメーカー)

グランパスのFWを分類してみると

マテウス・カストロは5・6、すなわち純粋なチャンスメーカーですよね。ゴールに近い位置に置かれることで、より迫力を増したとも言えます。

酒井宣福は4(1st ディフェンダー)としてかなり優秀で、2、3(ポストプレー)もそつなくこなしてくれていました。ですが肝心なシュートが豪快でありながら決まらず、数値としてはストライカーとして不満の残る状態でした。

柿谷曜一朗は本来マテウス・カストロと同じチャンスメーカータイプでしたが、4(1st ディフェンダー)の重みが増しているような気がします。

金崎夢生は昔、6(チャンスメーカー)の選手でしたが鹿島アントラーズ時代には純粋な1(ストライカー)になり、名古屋グランパスでは1よりも2、3(ポストプレー)4(1st ディフェンダー)へと変化しつつあります。

石田凌太郎は長らくサイドのプレーを続けていたせいか、まだフォワードとしてのプレーは不満が残ります。また4(1st ディフェンダー)としても、サイドの守備の仕方と、中央の守備の仕方の違いに戸惑っているように見えます。期待はするものの、まだこれからの選手です。

「ザ・ストライカー」とも言えるヤクブ・シュヴィルツォクがおらず、何よりもB検体検査の結果が出ないために、ネクストアクションを取りづらいというところが問題です。諦めることも待つこともやりづらい中途半端な状況が続いています。

とはいえ、さすが降格圏まで勝ち点6差しかない状況では、このまま待つことも難しくなってきました。

2022年7月9日現在の順位表 引用元:https://www.jleague.jp/standings/j1/
2022年7月9日現在の順位表 引用元:https://www.jleague.jp/standings/j1/

なによりも、得点16はアビスパ福岡と並んでJリーグ最下位です。(失点はアビスパ福岡・浦和レッズに続いて3位)

目指した得点力不足解消は果たされていません。

現在の順位(9位)はこれだけ怪我人と出られない選手が大量にいる状況では、差し引いて考える必要があると思われますが、ストライカーの獲得は必然でした。

2022年のグランパスに必要なFW

2022年のグランパスはどんな攻め方でチャンスを作っているのでしょうか?

各チームのプレイイングスタイル指標の比較
各チームのプレイイングスタイル指標の比較 データ引用元:https://www.football-lab.jp/summary/team_style/j1/?year=2022&data=22

 

攻撃セットプレー

左サイド攻撃

中央攻撃

右サイド攻撃

ショートカウンター

ロングカウンター

敵陣ポゼッション

自陣ポゼッション

横浜FM

59

53

62

67

55

48

58

68

川崎F

53

62

67

53

57

41

82

56

広島

64

60

54

77

70

55

55

44

C大阪

64

52

45

49

56

54

47

49

名古屋

58

51

33

41

40

55

45

47

浦和

52

45

51

40

39

43

48

68

清水

31

40

52

47

42

45

42

49

各チームのプレイイングスタイル指標の比較 データ引用元:https://www.football-lab.jp/summary/team_style/j1/?year=2022&data=22

敵陣ポゼッション番長である川崎フロンターレやサイド攻撃とショートカウンターが特徴のサンフレッチェ広島、自陣ポゼッションとサイド攻撃に強みを持つ横浜F・マリノスなど、それぞれ特徴があります。

名古屋グランパスは得点が少ないので、総じて攻撃系のスコアは低いのですが、あえてピックアップするとすると攻撃セットプレーとロングカウンターになります。

セットプレーについては大島コーチと河野GKコーチの合作とのことでしたので、それの進化を期待するとして、問題はロングカウンターです。

ロングカウンターに必要なFWのスキル

名古屋グランパスのロングカウンターでは、回数が多い(指数が高い:5位)のに、シュート率は8.2%(18チーム中17位)、ゴール率0.9%(18チーム中11位:1位のマリノスはなんと5.2%)です。

  • ドリブル使用率:20.9%(5位)
  • ロングパス使用率:52.7%(6位)
  • 空中戦使用率:0.9%(17位)
  • コンビネーションプレー率(3選手以上が絡んだカウンター):2.7%(9位)

また別のデータとして、グランパスの特徴として

  • クロスがシュートに繋がった(チャンスになった)率:16位
  • パスがシュートに繋がった(チャンスになった)率:16位

という数字があります。

これらから導き出されるグランパスの現状は以下の通りです。

  • ロングカウンターが多いが、ラストパスとなるクロスやパスの精度が低い or 合わせられず、シュートに至らない
  • ロングカウンターではロングボールを蹴り込むか、マテウス・カストロ or 相馬勇紀のドリブルだのみ
  • 高さのある選手はDFにしかいないので空中戦で繋ぐことはできない。
  • 仙頭啓矢らが絡んだコンビネーションプレーで崩すことはある(柏戦の得点のような)

となると、以下のようなスキルが求められるのではないでしょうか。

  • クロスに合わせられる or おさめられる(今いないタイプ)
  • ある程度脚が速くて、マテウス・カストロのドリブルに併走できる(今いないタイプ)
  • 空中戦に強く、セットプレーからの得点も期待できる
  • 名古屋グランパスのFWに求められる、中央で相手MFの潰しもできる

ナウドはどんな選手なのか?

中国リーグでの無料で見られるデータサイトがないため詳細は不明ですが、YouTubeに何本かのビデオがあります。

自分で持ち込んでシュートするだけでなく、ラストパスも通してゴールに繋げています。

自陣から猛然と50mくらいを走り込んで、クロスにインサイドで合わせてゴールをしています。

相手のクリアが不十分だったところを、オーバーヘッドで弾丸シュートを決めています。

まとめると、プレースタイルは以下のようになると思います。

  • フィジカルは激強
  • 初速はそれほどでもないが、トップスピードはめっちゃ速い
  • クロスに合わせるプレーが得意
  • ヘディングはそれほど得意ではないが、空中に浮いたボールの取扱はめちゃめちゃ上手い
  • 足裏をつかったボールキープが激強
  • DFに囲まれても結構キープできる
  • 自分でパスを出したり、クロスを上げたりというプレーもかなりできる
  • ズドンというシュートはあまりせず、インサイドで確実に沈めていくシュートが多い

先の分類で言うと、以下のような評価です。

  1. ○:クロスやパスを収めてシュートする(ストライカー)
  2. △:クロスやパスを収めて他のアタッカーにラストパスを出す(ポストプレー)
  3. △:ゴールキックやロングフィードを収めて他の選手に繋ぐ(ポストプレー)
  4. △:プレスをかけて相手のセンターバックの自由を奪う(1st ディフェンダー)
  5. ×:相手の守備を剥がしてドリブルしたり、守備の穴を突いて得点に繋がるプレーをする(チャンスメーカー)
  6. ×:プレスの方向と枚数が限定されるサイドで勝負し、振り切ってクロスを上げたり、カットインしてシュートする(チャンスメーカー)

ストライカーとしては十分。見た目よりもポストがうまく、ラストパスも出せるタイプです。トップスピードの速さはマテウス・カストロとロングカウンターをやらせたらベストマッチではないでしょうか。

名古屋グランパス強化部は、自チームのロングカウンターを強みとして位置づけ、ロングカウンター向きの選手を獲得した、と考えて良いのではないでしょうか。

マテウス・カストロが1人でカウンターをすることで潰されることが多いなか、併走してロングカウンターを沈め、ブラジル人頼みのカウンターサッカーに負けて悔しい、と対戦チームに言わせたいものです。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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