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斜め下から見上げたヴィッセル神戸戦 #喋る机 #やわらかめコラム

デスク:週中の試合なので、やわらかめコラムはデスクと編集者でやっていくぞ!

編集者:本当にやわらかめでお願いします!デスク、すぐに難しくなっちゃうから・・・

なぜあのスタメンだったのか?

ヴィッセル神戸・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
ヴィッセル神戸・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

スタメン、DFラインでは野上結貴が右HV(3バックの右のこと)で初先発、リーグでは右WBでしたものね。前線は酒井宣福・重廣卓也、中盤では長澤和輝が初スタメンです。意外なほどに変えてきませんでしたね。

ミッチ、中谷・藤井、米本、マテウス・カストロと、縦のラインで主力を残し、「リーグ戦と同じやり方をするぞ!そこに適合できるかの試験だ!」という監督からのメッセージだと俺は思う。

どうしてこのメンバー(酒井・重廣・長澤)だったのでしょう?

この3人に共通しているのは、鳥栖戦のベンチ入りメンバーだったことだ。
鳥栖戦では交代していく度に強度が下がり、それが原因で失点をした、という見方もできるから、監督としては今回チャンスを与えた3人には長い時間でどこまでできるのかを見せて欲しい、というミッションを与えたのでは?と思う。

逆に神戸はガラッと変えてきました。こちらはどういう狙いなのでしょうか。若手にチャンスを与える采配を褒める人もいました。

こちらはどちらかと言うとリーグ戦好調で、リーグ戦に影響を与えないようにという割り切りだろう。もちろん怪我人が多く、これ以上怪我人を出さないためにも控えメンバーを中心にしたということではないか。

それぞれのチームで狙いのある起用だった、ということなんですね。

何故序盤苦しんだの?

リーグ戦ではないのでちゃんとしたデータはないのですが、なんで序盤苦しんだのでしょうか?

3バック+3トップになった名古屋を攻略する定番はこれだ
1)両ウィングバックにプレッシャーをかけて5バックにさせる
2)すると中盤は2枚しかいなくなる
3)中盤1枚がボールを持っているところにフォローにいくと真ん中が空く
4)クリアを拾えるので、無限に相手の攻撃が続く

本当に良く見る状態です。それなのにリーグ最少失点なのはミッチと3バックの凄さなんでしょうけど、サポーターにとっては心臓に悪いですよね・・・

細かいところの説明はゆってぃさんの記事を見て貰いたいのだが、名古屋の強みでもある森下龍矢を泉で押し下げてしまえば脅威も減る。名古屋の前線がチグハグしていたところをつけ込んで、手薄になった名古屋右サイドを攻略した感じだな。

これに対しては対策はないんですかね。

いくつかあるが、前に出てくるということはそれだけ裏が空くということでもある。プレスを回避する方法を見せれば、自然とプレッシャーを掛けてる側が前に出られなくなる

この試合では当初苦しみましたが、長澤和輝と野上結貴が勘を取り戻すにつれ、プレス回避ができるようになりましたね。

長澤和輝はパスコースに顔を出してボールを受ける動きに長けているし、野上結貴はプレッシャーを受けても正確なパスを出せるからな。

ということは、彼ら2人が試合のなかで調子をあげてきたことが、名古屋崩しVer.2023の対策になった、と。

いまのレギュラーもうかうかしていられないな。

先制点はどうでした?

それだけ押されていたわけですが、先制点からガラっと雰囲気が変わりました。

野上結貴の鳥栖戦のプレーで一番危機感を感じているのは森下龍矢だったと思う。彼がロングカウンターを見せてくれたところが大きい。信じて走るって奴だな
先制点の1つ前の重廣卓也の宇宙開発シュートまでほとんどチャンスらしいチャンスはなかった。

左サイドは飯野七聖がめっちゃ高い位置にいましたし、右サイドは左サイドハーフの泉が高い位置にいたので、初瀬さえかわせば広大なスペースがありました。

1枚中盤を経由して、ボールが出てくると信じて走った森下龍矢と、クロスが来ると信じて走り込んだ重廣卓也、こぼれを明らかに狙っていたと思われる酒井宣福の3人に拍手だな。

後半は名古屋ペースになったけど、なんででしょう?

後半は前半とうってかわって名古屋グランパスペースだったと思います。それはなんででしょう?

もともと神戸の中央のDF2人はU-21枠で、そこのフォローが明らかに足りてなかった。
そこで先制点のところで指摘した、広大なスペースを少し埋めに来た、というのがあると思う。

サイドの攻防はどうだったのでしょうか?
飯野七聖選手が負傷して、山川哲史選手に変わったことで変化はありましたか?

山川哲史も、本来はサイドバックだが、シーズンのなかではセンターバックをやることも多い選手だから、自然と名古屋左サイドを押し込む展開にはならなかったかもしれないな。
ちなみに山川哲史選手は三笘薫の大学の同級生で、「三笘薫と生涯で1番1対1をやった男」という触れ込みだったな。良い選手だと思う。

なるほど、神戸は守備タイプの選手が入って、全体に重心が後ろになった。
そうするとFWがするハイプレスも単発になっちゃうから名古屋の組立てが息を吹き返した、って感じですかね?

中谷進之介の「ソレ出すのー?キツいよー」な縦パスも見れるようになってきたからな。

後半入った稲垣祥はどうでした?

なかなか調子の上がらない稲垣祥を心配する声も届いています

もともと身体を張った守備と、献身的な運動量が強みの選手だ。そういう点では強みを十分に活かしていると思う。

なんで不安の声があがるのでしょうか?

比較する対象ができたからじゃないだろうか。昨年コンビを組むことが多かった選手は、レオ・シルバと仙頭啓矢だったかと思う。どちらも素晴らしい選手だが、稲垣祥とはタイプが違い過ぎる。

それに比べて、今年は米本拓司ですよね?

ヨネは風間前々監督時代のようにパスを差し込んできている。スタイルも身体を張り、守備にも奔走する「ルンバ」タイプだから、攻撃の組み立てへの関与、というところで差が出てしまうのだろう。

そうなると、長澤和輝が調子をあげてきて、山田陸も復帰したのは刺激になりそうですね

できないことをできるようになることも大事だが、良さを活かすことも大事だ。
稲垣祥のもう一つの魅力がミドルシュートだ。あれが決まるようになると彼も乗ってきてくれるんじゃないかと思う。

ここ2回の出場機会で酷評が出ていたナウドはどうでしょう?

79分に入ったナウドはどうでしょうか?ここ2試合のプレーぶりではガッカリさせられたサポーターの皆さんも多かったかと思います。

この試合は出場時点でプレッシャーが軽かったのは間違いないのだが、一番良かったのではないだろうか。

プレスが緩くないと使えないということでは?

そこまでは言えないだろう。先ほど名前を挙げた山川哲史選手との1対1、ナウドが腕一本でブロックしながら40m近くをドリブルして枠内シュートを放ったシーンは圧巻だった。

それでも点取ってないですよね・・・

もしかすると、ナウドに対して足下で彼が止まった状態でボールを預けることが多いが、その使い方が間違っていたのかもしれない。アジリティ(敏捷性)では日本の選手には叶わないので、彼のフィジカルを活かせる、そして案外スピードのあるところを活かせるスペースへのパスを増やせば化けるかもしれないぞ?

最後に、山田陸はどうでした?

キャンプ中の怪我で出遅れ、やっと出場できた山田陸はどうでしょうか?

正直やっと来た!という思いだ。
米本拓司・長澤和輝・稲垣祥で言えば、長澤和輝が一番近いかもしれない。
味方がボールを持ったときに受ける動きが秀逸だ。

あまり自ゴールに向いてプレーする選手ではなく、相手ゴールに向けて前を見てプレーできる選手、という印象です

とにかく気の利いた選手だ。練習試合では周囲と合わずに苦しんでいたようだが、彼は周囲が彼を理解することですごく活かされる選手だと思われる。

最適なポジションはどこでしょうか?

3センターの真ん中がベストポジションだろうな。昨年のレオ・シルバとはまた違った形の3センターを見せてくれるはずだ。

期待していいですかね?

もちろんだ。そしてピッチで見るとめちゃめちゃ脚が長くて、上半身がゴツい。まるで欧州のセントラルの選手みたいだな。彼がトップコンディションになったら、3-5-2にトライしてもいいかもしれない

第1回チキチキ柏戦のメンバー入りレースの結果は?

一番最初に、この試合は長谷川健太監督から結果を出せるかどうか見せてみろ、という挑戦状だった、という風におっしゃってましたよね。

インサイド・グランパスの記事で、「先発メンバーにはメッセージが込められている」と語っていたので、それは間違いないだろう。

その結果はどう映ったでしょうか?

間違いなく合格点は長澤和輝、酒井宣福の2人だろう。ナウドは保留、山田陸はまだもうちょっと見ていくのではないだろうか。山田陸はルヴァンカップで追試があるはずだ。

一方で吉田温紀だけ出場機会がありませんでした。

本人は悔しいだろう。

1人だけ笑顔がありませんね。

言いたいことは、この悔しさを晴らすには、普段の練習で違いを見せるしかない。それで出場機会を得る。
結果を見せた選手を使ってくれる度量はある監督だと思うからだ。

豊田晃大とともに、またチャンスを得て欲しいですね。

この試合のGood!(よかった)

  • ここまで苦しんできたハイプレス4部作も、4回目にして対策が見えてきた感じなこと
  • 酒井宣福がゴールを取れたこと。攻撃の選手にとってゴールは万病の薬。これで調子を挙げてくれることを祈っている
  • 長澤和輝がこのままコンディションを上げてくれると、いろんな問題が解決できる
  • 野上のパス出しと攻撃参加だけで誰かに記事を書いて欲しいくらい素晴らしかった

この試合のMore!(もうちょっと頑張ろう)

  • 2点目が取れるのが遅かったが、ルヴァンカップの性格上、もう少し早めに交代を入れても良かったのでは?
  • 藤井陽也はもう少し落ち着こう
  • マテウス・カストロのキック精度が落ちているのが気になる。2点目に繋がるオーバーヘッドはスーパーだったけど・・・

次も良い試合になりますように

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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