半年間の百年構想リーグが終わり一息入った昨今。
皆様、どうお過ごしでしょうか。
個人的には、はじめは
「長いプレシーズンマッチだ」
などと斜に構えて見ておりました。
ただ実際始まってみると、目の前の試合には一喜一憂、こと優勝が見えてきたら
「もらえるものは病気以外なんでももらっておけばいいんだ」(by真田昌幸)
とばかりに熱くなっておりました。
改めて、目の前に試合があることの素晴らしさ、 そして自分のご贔屓のクラブが希望の持てる試合を行っている幸せをかみしめる半年でした。
その一方で、この半年は多くのクラブにとっては戦術を浸透させる期間、
そしてその戦術にどの選手が合い、どの選手が合わないのかを見極める期間であったことも事実です。
「長いプレシーズンマッチ」と表現したのはこれを見据えたもので、
われらがグランパスにおいても例外ではありません。
この項では、順位決定のH&Aも含めた20試合の各選手の状況を大まかなポジション別にまとめ、
各選手のチームにおける立ち位置がどうだったのか、
新シーズンに向けてどう変わっていくのかを考えてみたいと思います。
凡例
- フル出場をA、スタメンから途中交代をB、ベンチ登録から途中出場をC、ベンチ登録のみをD、ベンチ外を—で定義しています
- 20試合を総数とし、D以上の登録だったものをベンチ登録率としています
- 20試合を総数とし、B以上の表示のものをスタメン率としています
- ベンチ登録数(C+D)を総数とし、出場(C)した率を途中出場率としています
ゴールキーパー
この半年については、小さい怪我はあったものの、シュミットダニエルが概ね健康を維持。
バイウィーク直前に一瞬ピサノにポジションを明け渡しかけましたが、
その後しっかりポジションを奪い返し、
シーズン終了まではターンオーバーのタイミングと怪我のあった順位決定のタイミング以外はゴールマウスを守り続けました。
ピサノは出場4試合と比率としては減少していますが、出場試合では負けなし。
とはいえクリーンシートもないため、まだまだシュミットダニエルから明確にポジションを奪うようなものを見せられているわけではありません。
来る新シーズン、2人の高いレベルの争いが楽しみです。
武田については、難しい第3GKの立ち位置をしっかり務め上げてくれました。
萩はまずは名伯楽楢崎のもとでしっかりと基礎を叩き込まれたと思います。
U21リーグが始まり、実戦を経験する機会も増えますので、さらなる成長を期待したいところです。
センターバック
藤井が不動の3CBセンターとして君臨してくれたのは僥倖でした。
大きな怪我なく、安定感をもってディフェンスラインを支えてくれたのは流石。
新シーズンも怪我無く走り切ってくれることが上位進出の絶対条件でしょう。
というか怪我したら誰がポジション埋めるんだろう。
右CBについては、原が重用されている印象。
攻撃面で特に貢献度が高く、精度の高いクロスが得点につながっていました。
ただ、怪我もあってフル稼働という形にはならず、ここを埋めてくれたのが野上でした。
スタメンでない試合でも全試合でベンチ登録され、ほとんどの試合で途中出場。
ミシャからの信頼がうかがえる起用ぶりです。
ケネはこのポジションの途中出場のクローザーとして起用されました。
ただなかなか序列を上げることはできず、期限付き移籍で改めて実力を磨きなおす選択をしたようです(希望的観測)。
内田はポリバレントなバックアップとして、特に怪我人が増えた後半は重宝されましたが、
まだミシャの志向するサッカーの中では居場所が見出しきれていない印象です。
なんだかんだ困ることがなかった右に比べ、左CBは試行錯誤の連続でした。
攻撃時は左右のCBが開いてSBのようにふるまうビルドアップを求められる中で、
どうしても左利きを置きたいこのポジション。
開幕からの数試合は徳本を置きましたが高い強度も同時に求められるこのポジションではやや厳しい部分もあり、
特にCMFの怪我人が戻ってきてからは、本職でないながら要求を満たせる高嶺がこのポジションに使われることも多い印象でした。
とはいえ高嶺は本職であるCMFで使いたいという部分もあり、
その後も佐藤が一定期間使われるなどなかなか固定できなかった泣き所のポジションとなりました。
オフにあまり大きな補強の噂が聞かれない中、
唯一動いている噂が聞こえてくるのがこのポジション。
ここに戦力を補強できれば、十分以上に上位を狙える陣容となりますが、どうなるでしょうか。
ウイングバック
このポジションで絶対の信頼を得たのが中山。
スピードを活かした上下動と強度、そして突破力で、ターンオーバーを行った試合以外の全試合でスタメン出場しています。
一方その相方はあまり固定される印象がなく、序盤は和泉、甲田、森が順番に試されていた印象です。
最終的には和泉と浅野がFWと兼任するような形でポジションを埋めるシーンが多くなりました。
昨季は森がかなり使われていたポジションでもあるのですが、
今季はレンタルから復帰した甲田がポジション争いに殴り込み。
レンタル先で経験と強度と自信を身に着けて帰ってきた彼は、一時はスタメンにも名を連ねました。
その後も途中出場ながらほぼ毎試合ピッチに立つなど、レンタル帰りの若手として合格点と言っていい内容。
小屋松が戻ってくるであろう来季も存在感を発揮できるか、要注目です。
セントラルMF
守備強度面で鉄人稲垣が絶対の信頼を得ていたポジション。
しかし、最終盤の大きな怪我で来季当初からのフル稼働を望むのは難しく、
またビルドアップでボールを受けるという部分では物足りなさも覗かせていました。
それでも未だに進化を見せ続けているのは凄まじいのひと言なのですが。
さておき、彼の不在から誰が出てくるのかが楽しみなポジションです。
前年まで信頼を得ていた椎橋が戦術に馴染めずチームを去りましたが、
怪我の状況に問題がなければ、そして左CB問題が解決するのであれば、
森島高嶺ラインは不動の評価となりそうではあります。
一方で菊地、小野といった受けて前を向く技術のある選手も主に途中出場で使われており、彼らの逆襲にも期待したいところです。
吉田温紀は再度レンタルで武者修行。
甲田のように何かを掴んで帰ってきてほしいですね。
フォワード
前3人のポジションでまとめてみます。
シーズンを通して完全に信頼を勝ち取った印象なのが山岸と木村。
ヴィニシウスがJ1の強度に慣れる前に怪我で離脱してしまいましたが、
木村と山岸のおかげで起用はあまりブレることがなかった印象です。
ヴィニシウスの怪我の後、残りの1枚は主に和泉が使われることが多かった印象ですが、
最終的には浅野も多くの出場機会を得ていました。
終盤は永井が流石と言える活躍を見せていましたし、
杉浦も後半はベンチに定着し、一定以上の途中出場の機会を得ています。
来季はヴィニシウス、マテウスカストロが復帰、さらに層が厚くなることが見込まれます。
今季明確に進歩が見えた「点を取る」という部分がさらにブラッシュアップできるのか、楽しみにしたいですね。
出場機会がなかなか得られなかった鈴木、榊原の2人は武者修行へ。
成長して帰ってくることを楽しみにしています。
むすびに
怪我人も多く出て、すべてが上手くいったというわけでもなかった百年構想リーグ。
それでも、得点の取れる仕組みづくりと競争環境という意味において、手ごたえの感じられた半年間であったと思います。
短い夏の充電期間を経て、改めて頂点に挑むグランパスに期待していきましょう。




