グラぽ

名古屋グランパスについて語り合うページ

メニュー

「できたこと」と「できなかったこと」 2025年J1リーグ第5節 セレッソ大阪戦 [マクロ] レビュー #グランパス #grampus GR658

「できたこと」と「できなかったこと」 2025年J1リーグ第5節 セレッソ大阪戦 [マクロ] レビュー #グランパス #grampus GR658

(本文中敬称略です。申し訳ありません)

ショートの振り返り

セレッソ大阪戦は前半良いペースで試合を進めながら試合を決めることができず、前半アディショナルタイムにセレッソ大阪にワンチャンスを決めきられてしまいました。

後半は割り切ってハイプレス・ショートカウンターをしかけられましたが、守備陣の身体を張ったプレーと、相手の決定力不足に助けられ、ハイプレスの脚が止まったころに選手交代、そこから綺麗な同点ゴールを生むことができました。

しかしそこからはセレッソ大阪も選手交代をしてパワーをかけてきたこともあり、勝ち越しを決めることはできず、引き分けに終わりました。

失点をしなければ勝つチャンスもゼロではなかったと思います。同時に失点を重ねて敗れる可能性もあったでしょう。

その差は根深い、昨年から続く問題にあったと感じています。

グランパスができたこと(1) パスコースを複数確保する

町田戦では、マテウス・カストロ抜きでのサッカーが、イマイチうまくいきませんでした。そこでこの試合では配置に工夫をしてきました。

山岸交代前の配置と狙い
山岸交代前の配置と狙い

町田ゼルビアに続いて、セレッソ大阪はハイプレスのチームです。ハイプレスから逃れるには、プレッシャーからボールを逃がすルートを確保することが必要です。

データを引用することができないので、参考にさせていただいた時間帯別データはこちらから。

この試合では、ルートは2つ用意されていました。

  1. 中央で山岸に当てる
  2. サイドで中山に出す

山岸が収めたら、そこから前を向いた永井謙佑をトップスピードで裏に抜けさせる、という作戦だったのではないでしょうか。山岸へのマークがキツすぎた場合の2の矢として中山がサイドでえぐるパターンを用意した、と。

そしてこの並びを見てわかるのは、配置がピッチに満遍なく、偏りなくされているということです。

変に自陣に偏重した配置ではなく、前にパスの出しどころがきちんとある配置になっています。

ハイプレス・ショートカウンターをかわして、その裏にあるスペースを活用して速攻をしかけよう、という意図は十分に感じられ、「肉でも魚でもない」という状況は脱することができたのではないでしょうか。

グランパスができなかったこと(1) 前線の起点がなくなったときに全体を押し上げられなかった 

不測の事態の山岸祐也の怪我があり、マテウス・カストロに交代。

マテウス・カストロが左FW、永井謙佑が右FWに移りました。

その影響が発生します。

  • 少し低めにいた永井謙佑が右サイドにいったことで、中山、そしてその後ろに控える野上が高い位置を取れなくなった
  • マテウス・カストロが左前に入ったことで、徳元・和泉の位置が自陣寄りに下がった
山岸交代後の配置と狙い
山岸交代後の配置と狙い

パッと見てわかるように、全体的に自陣に人数が多すぎます。

そうなると低い位置にしかパスコースがなく、DFラインではボールを回せるものの、そこから前にボールを出すにはルートが限られすぎて、繋ぐことが難しくなります。

また前線の選手との距離があいてしまうので、パスカットされる可能性が多くなります。

これはグランパスが良くないときによく見る、攻撃ができない典型的なパターンです。

グランパスができたこと(2) サイドチェンジ

パスコースをきちんと用意する以外の、もう1つのプレス回避の対策が、サイドチェンジです。

セレッソ大阪はかなりコンパクトな配置になっているので、どこかにプレスをかけた時には、そのフォローで多くの選手が近くに集まります。

そうなるとボールとは反対サイドの選手がフリーになる可能性が高く、そこをうまく使うことができました。

サッカーの面白さの1つは、11人で守ってたら攻撃ができないし、少ない人数ではピッチの幅を満遍なく守り切れないので、どこかでアンバランスを作らなければならないところです。

ハイプレス・ショートカウンターは前線の守備に枚数をかけることになるので、必ず守備の穴が空きます。今後、ハイプレスをしかけてくるチームは多くなると思いますので、その対処をいくつか持てるようにしなければなりません。

この試合ではサイドチェンジがうまく決まればチャンスを創ることができていました。

グランパスができたこと(3) マテウスが前を向いてボールを受けられる形を構築する

マテウス・カストロの交代直後から相手のハイプレスが止む60分くらいまでの間は散発的にチャンスを創ることしかできていませんでした。

ボールを高い位置で持てる選手が和泉しかおらず、その和泉もボールを受けるために低い位置にいたので、スルーパス一発でしか勝負がかけられない状況が続いていました。

状況が変わったのが浅野雄也・菊地泰智・森島司が投入されたタイミングです。

森島司・菊地泰智・浅野雄也投入後の配置と狙い
森島司・菊地泰智・浅野雄也投入後の配置と狙い

このタイミングで右サイドにボールを持てる選手を3枚投入したことで、右サイド高い位置で保持ができるようになりました。

セレッソの守備はボールホルダーに寄っていきますので、そうするとマテウス・カストロへのプレッシャーが減ります。

同点ゴール、マテウス・カストロがフリーでシュートできたのは偶然ではありません。

グランパスができなかったこと(2) ボール保持ができる前線に繋ぐことができなかった

ボール保持ができる4枚が、いい崩しを見せてくれたのですが、この野上・菊地・浅野・森島にボールを届けられるかどうか、というところが問題になりました。

同点にされたことでセレッソ大阪のハイプレスが復活し、前線に良い形で繋げなくなったからです。

徳元悠平の不測の事態で河面旺成を投入しなければならなかった、というのはあると思いますが、ここでボールを繋ぐことができる人財に心当たりがあります。

ここも実はここ数年抱え続けている問題です。

米本拓司を失ったことで一番の問題点は、前に持って行ける、前に刺せるパスというのが減ってしまったことでした。

加藤玄に期待するか、それとも今居るメンバーに繋ぐことができる進化を期待するかはそれぞれだと思います。

しかしそこが解決しなければならない問題の1つだと思います。

さいごに

光明は見えつつも、まだ課題が山積していることが突きつけられた感があります。

走りながら今居るメンバーで解決していかなければなりません。

この原稿で書いた「できたこと」と「できなかったこと」を注意しながらヴェルディ戦を観て頂くとちょっと違うかもしれません。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

Leave A Reply

*

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

Share / Subscribe
Facebook Likes
Posts
Hatena Bookmarks
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE