2018シーズンが開幕しました。皆さん待ってましたよね。僕も待っていました。これで退屈な週末から僕たちは開放される。今シーズンもよろしくお願い致します。さて、ガンバ大阪戦はグランパスの見事な勝利で幕を閉じました。見所は色々ありましたが、小難しい話は抜きにして、グランパスの新たなる力に注目してみましょう。
ジョー 『日本代表級でも止められない』
鳴り物入りで加入したジョー。トヨスポやキャンプ目撃情報でこんなことを言われていました。
「あいつはヤバイ」
「ホンモノだ」
まだまだ身体は重そうでしたが流石と言えるプレーを随所に見せていました。そのプレーを一言で表現すると『できることが見えている』。どういうことかと言うと、無理なプレー選択をせず、できることをちゃんとやる。昔グランパスにいたマルケスを思い出しましたね。マルケスも無理なプレーやエゴイスティックなプレーをしない選手でした。しかもジョーの場合、できること(プレーの選択肢)が多いんですよ。デカくて軟らかいから。残念ながら枠を外したものの、後半12分の右サイドからのドリブル持ち込み→コントロールシュートは痺れました。相対していたガンバの三浦が飛び込めないところにボールを置いてまたぎフェイントで一瞬シュートコースを作りシュート。三浦だって日本代表招集歴のある選手なのに、ほぼ何もできなかった。日本代表級のCBでも止められない。ジョーはヤバイ。
ホーシャ 『左足フィードは高精度』
開幕11日前に加入したホーシャ。186cm86kgとの公称体格で、多分当たり強いんだろうな、左足もまあいけるんだろうな………くらいの事前評価(願望)だったホーシャ。蓋を開けてみれば、当たりの強さもさることながら、左足のロングキックが際立っていました。原則としてジョーめがけて蹴っていて、ジョーが普通にボール収めちゃうからむしろ目立たなかったけど、ホーシャがある程度余裕持ってジョーを狙って蹴ったボールはほぼジョーの胸や足元にピタッと行っていましたね。グランパスのDF、短距離での繋ぎは皆上手くなりましたが、中長距離のパスを通せる選手がいなかった。攻撃面でホーシャの貢献大です。左利きだしね。去年のグランパスが抱えていた『左サイド深い位置からの攻撃の組立が窮屈になりがちだった問題』の、かなりの部分をホーシャが解決してくれそうです。
長谷川アーリアジャスール 『機動力』
ピッチを左右に分けた右側を中心に走り回っていたアーリア。空いた選手の足元へパスを出してスペースへ動き直す。前のシャビエルが落ちてきた時には空いた最前線へ飛び出す。その動きを見ていて、これは去年、田口と小林とが担っていた攻撃面での役割+飛び出しだなと。田口のような視野は恐らく持っていないのですが、その代わり前へ進む機動力を持っている。アーリアは、近い位置でプレーするシャビエルや小林の邪魔をせず、自分を活かしてもらえる、そんな良好な関係を築いてくれそうです。
「終わった選手だと思ってたけど超良い選手じゃん!」
某飲み屋で試合観戦していた僕に、近くの誰かの呟きが聞こえてきました。元々終わったとは思ってなかったけど、今のグランパスにとって超良い選手なのは間違いない。ところで3点目に繋がるハチへのパス、あのタイミングでハチの足元に出したのは狙ってたの? 誰かトヨスポで聞いてみてください。
和泉竜司 『どこにいても和泉』
去年1年ポジションを変えられまくってはどこでもちゃんとやっていた和泉。貴重な戦力なんだけど、どこか一つのポジションでスーパーな働きと言うわけではなく、『器用貧乏』などとネガティブな評価をされていることもありました。そんな和泉は空いたスペースへ自分のドリブルで進入していくプレーを得意としています。2016年のルーキーイヤーでもその片鱗は見せていたのですが、恐らく去年1年の風間指導および実戦経験で和泉が得たものが上乗せされました。それは『相手の逆を取る』こと。風間監督の指導として、『相手のプレッシャーの矢印の逆を取る』という練習が有名です。和泉、すごく上手くなってますよね、それが。1点目のシーンでも、惜しくもゴールにはならなかったシーンでも、和泉は相手のプレッシャーの逆を取って見事なドリブル突破を見せていました。ガンバの市丸、福田の守備がそれほど強くなかったということもありますが、今年の和泉からは目を離せなくなりそうです。また、試合中に3回ポジション変更があっても、どのポジションでも混乱せず自分のプレーをできる。かなりすごい。自分自身のプレーを見失わないからこそできることです。
新たなる力で得た1点目
グランパスの3点の内、1点目にジョー、ホーシャ、和泉が関わっていたので紹介しましょう。
ホーシャがガンバの中盤プレスを飛ばしてジョーへフィード&ジョーが青木へ落とす。
青木が相手を引き付けてから和泉へパス。
和泉へガンバ福田がチェックに行くが、和泉は福田の逆を取って空いたスペースへ進入。ジョーは左前の空いたスペースへ動き直し。
和泉からジョーへスルーパス。ガンバのファビオがシュートブロックに来ていてシャビエルがフリーになっているのを確認したジョーがシャビエルへラストパス。
中盤が込み合っている時、ホーシャからジョーへのフィードで相手のプレスを飛ばすことは、相手としては『わかっていても止められない』攻撃でしょうから、猛威を振るいそうです。今後も楽しみです。