編集A:週中のレビューは #喋る机 シリーズということで、今日もよろしくお願いします
デスク:今回も柔らかめのレビューっていうことで、気楽に最後まで読んでみて欲しい。
スターティングメンバー
編集A:いよいよセレッソ大阪との天王山2連戦です。
デスク:直前に2位横浜Fマリノスを下して、勢いに乗っているところが不気味だな。小菊監督は「相手の良さを消す」ことに関しては非常に長けた監督だ。そして、相手の弱点を突いてくることについても上手い。
編集A:それでも成績は伸び悩んでいますよね。
デスク:自由なチームから、規律あるチームへの方向転換だ。そこは時間がかかったと考えていい。そして1年前は通ってきた路だ。0から作り直すのと違って、アレンジは違うものの規律有るサッカーへの下地はできてきている、ということだ。
名古屋グランパスのスターティングメンバーから見た狙い
編集A:キム・ミンテが使えません。
デスク:必然的にセンターバック木本恭生になるな。
編集A:この大一番で、右サイドバックは成瀬竣平を起用してきました。
デスク:トーナメントだから、勝たなければならない。ならばボールを引き出すことに長けた成瀬竣平なのは理解できる。
編集A:前田直輝を使わないのはルヴァンカップ決勝を見据えたものでしょうか。
デスク:間違いなくそうだろうな。フィッカデンティなりに「中2日」対策として宮原和也・キム・ミンテを入れれば3人を温存した、と考えるといいだろう。
セレッソ大阪のスターティングメンバーから見た狙い
編集A:セレッソ大阪はなんと喜田陽とキム・ジンヒョンを除く、スターティングメンバー全員を入れ替えてきました。負傷明けの清武弘嗣が久々のスタメンです。
デスク:まず、これによって前節のスターティングメンバーのほとんどを中5日で決勝に送り出すことができる。
編集A:それにしても思い切りました。
デスク:清武弘嗣と奥埜博亮がいればなんとかなる、ということでもあると思う。さらには、中2日、バブル内の選手相手なら、フレッシュな選手のほうが対処できる、という賭けでもあるんだろう。
編集A:レギュラーではない選手が多いので、ここでレギュラーに返り咲こうというモチベーションの高さも期待できますね。
デスク:簡単な相手ではないな。マリノス戦ではサイドバックとセンターバックの間に強いパスを引き出して、そこでチャンスを作ろうという意図が感じられた。折しもグランパスの右サイドバックは成瀬竣平。そこが勝負の分かれ目かもしれない。
前半
編集A:立ち上がり、少しセレッソ大阪が握る展開が続きましたが、徐々にグランパスが押し返す展開になります。
デスク:序盤はパスも繋がっていたし、右サイドでマテウスがボールを受けて攻め込むという形が機能をしていたと言って良いだろう。しかしそこで点が取れなかったのはまず、徹底していたのがペナルティエリア近くでヤクブ・シュヴィルツォクがボールを受けようとすると、3人以上で囲むという、名古屋グランパスの強みを消す戦術あってのことだと思う。
編集A:徹底していましたね。
デスク:クバがフリーになれたのは稲垣祥のミドルのこぼれ球のシーンでしょうか。
編集A:あれにしても相手DFが決死のスライディングで止めていた。モチベーションの高さが光っていたな。
デスク:終わってみると、前半で唯一に近い決定機だったかもしれない。
編集A:それ以外に気になったところはありますか?
デスク:パスを回すテンポがいつもよりも早かった。いつものグランパスよりも落ち着かない印象だ。パスが繋がっているうちはいいが、いつもと違うことをすると、終盤もしかすると悪くなってしまう可能性もある。テンポよく回して崩そう、という監督の指示だったのかもしれない。
編集A:前半30分過ぎから、セレッソ大阪がボールを握る展開になります。シュートも沢山撃たれるようになりました。
デスク:モチベーションも高く、フレッシュな選手が多いセレッソに対して、バブル内の中2日の選手のコンディションの差が出てきた感じがある。徐々に無理な攻めからボールをロストし、カウンターを受ける展開が増えてきた。
編集A:そして失点です。コーナーキックでした。
デスク:ニアで競るチアゴに、全員が寄ってしまって鳥海がフリーになっていた。あそこにこぼれたら仕方ない。これはディフェンスのミスだな。ニアで触れないボールへの備えがなかった。
編集A:続けざまにコーナーキックから2点目を決められます。
デスク:今度はゴール奥にチアゴが構えて、そこで競り負けてしまった。
編集A:キム・ミンテに高さを頼っていた弊害が出たでしょうか。
デスク:セットプレーの守備はヴィッセル神戸戦が相手のヒントになってしまった可能性はあるな。なにせコーナーキックの数が多くて、良いサンプルになった。
編集A:アダム・ダカート、チアゴという高さのある選手が多かったですからね。
デスク:1点であれば、リバウンド・メンタリティーを発揮できたと思うのだが、2点目は心が折れる展開だったかもしれないな。
リバウンド・メンタリティー:心が折れる瞬間に、乗り越えるために積極的に発信したり、周囲との調整を図ることができるこころの機能 https://coach.co.jp/lecture/20180206.html
編集A:難しくなってしまいましたが・・・
デスク:ヴィッセル神戸戦で、ヴィッセルも追いついた。グランパスにできないということはないはずだ。
後半
編集A:後半から成瀬竣平に代えて、相馬勇紀を入れました。森下龍矢を右サイドバックに下げた形です。
デスク:対面の為田大貴にかなりやられていたのが気になったんだろうな。走力のある森下龍矢に代えた。
編集A:走りあいならば森下龍矢のほうが強いですからね。
デスク:逆に前半森下龍矢の対面の清武弘嗣を前半フリーにしすぎたところもある。相馬勇紀のねちっこい守備でどうにかしたいという思いもあっただろう。
編集A:ターンオーバーの賭けに負けたってことかもしれませんね。そして続けざまに長澤和輝・柿谷曜一朗・マテウスに代えてシャビエル・金崎夢生・藤井陽也を入れます。木本恭生を中盤に上げたんですね。
デスク:木本恭生のセントラルMFは出来がいいからな。そしてシャビエルが中央低めに入って、ゲームを落ち着かせるようになった。金崎夢生はクバがボールを収める役割じゃなくてストライカーとして動いて欲しいという思いで投入されたんだろうな。
編集A:実際ここでは良い流れになって来ていました。しかしここで3点目。藤井陽也が詰め切れませんでした。
デスク:確実に3失点後おかしくなったな。木本恭生を下げて宮原和也を入れた。森下龍矢をセントラルMFに上げた。そもそも恐らくやったことがないフォーメーションになって、明らかにパスのつながりが悪くなった。シャビエルが良かったと言っても限界はある。森下、稲垣、相馬の3センターと、シャビエル、金崎夢生、クバの3トップなんて試すわけないだろう。
編集A:その割に攻撃ができていたようですが。
デスク:3点リードしていたら、ボールを持つよりも構えた方がいいだろう。だから攻撃できただけだ。
編集A:綺麗に3ライン作って、その網にかかってましたものね。
まとめ
編集A:それではまとめをお願いします。
デスク:前半は言うほど悪くはなかったと思う。実際チャンスは作ることができていた。
編集A:ヴィッセル神戸戦で追いつかれ、リーグでのACL出場権獲得が厳しくなったことの影響はあるでしょうか?
デスク:少し影響はあっただろうな。とはいえ、それが原因ではないと思う。クバが押さえられているのであれば、その周囲のプレッシャーが空くはずで、そういう相手の穴を活かせなかったことが最大の敗因だったと思う。
編集A:クバの落としをシュートというシーンもいくつかありましたがゴールできませんでした。
デスク:セットプレーの守備については、キム・ミンテが戻ってくるので、良い確認ができるといいな。3点目はこちらがバランスを崩していたので考えなくていい
編集A:ズバリ、決勝は勝てますか?
デスク:素直に勝っていたときのメンバーに戻せばいいと思う。前田直輝とヤクブ・シュヴィルツォクの2トップが一番期待感があった。このコンビを活かせれば勝てる。まずは先制点だな。
編集A:そう先制点!欲しいですね!
デスク:期待しよう。この悪い流れを、名古屋の風で吹き飛ばそう!
この試合のGood!
- 前田直輝を温存できたこと
- 宮原和也も70分休ませることができた
- シャビエルの復調は本格的
- 稲垣祥の好調は持続
この試合のMore!
- 動き過ぎて、自分たちのリズムを失ってしまった選手交代。
- データはないが70分以降のパス成功率の低さ。こういった状況だからこそ冷静に。
次も良い試合になりますように