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完勝の裏側、戦術の機微を読み解く 第12節清水エスパルス戦マッチレビュー #grampus Y0243

瑞穂で成長を見せた期待の若手の待望のゴールと、得点を取り合う剛と柔のストライカーの見せ場が光った試合。勝った試合だからこそ、展開と勝ち方の整理をワンポイントで。

試合情報

  • 2026年4月25日
  • 清水 – 名古屋:0-2
  • 天候/気温/湿度:晴れ / 24.9℃ / 33%
  • 主審:福島 孝一郎

ロングボールが刺さる訳

試合を通じてロングボールで清水のセンターバックの裏を取れることが多かった印象が強いので、まずはそこから。

清水は3-4-2-1の形。名古屋は本来なら4-1-5で立ち位置を取るはずだが、まず1本目のロングボール、0分48秒からのタイミングを見てみると、稲垣が降りずに高嶺のキャリースペースを残したような形と、シュミットが中央に入って3-3-5のような形で長いボール勝負になる。

最初の形では、自分達の設計というよりは清水側の守備の歪さの方が際立っていたように見えた。清水は3トップの1枚(この場面では嶋本)が落ちるような形で5-3-2で見ていたものの、落ちた嶋本が中央に絞ったことで原がフリーになる状態、逆に言えば和泉が降りてきづらいIHを消すような形、森島・稲垣を囲むような形にはなっていたものの、球出しの2CBに対してステファンスとオ・セフンが全く制限なしの状態だったので、前から2列分の守備を無視してロングボールを名古屋は出せる状態だった。原が浮いている形と高嶺のキャリースペースが空いていることで縦方向のベクトルが強くなる分、清水としても守備を間延びさせたくはないので圧縮に寄せる。それによって、より山岸が裏を取れるような展開になっていったのが、最初のロングボールの形だった。

直後のフリーキックで稲垣がセンターバックに入ると、ステファンスが目の色を変えて最終ラインにプレスしてきたので、清水的には稲垣が降りてきて森島を囲めているところからプレススタート、というプランニングが容易に読み取れた。

(ハイプレスができなかった旨の話は監督談でも確認済み~ ) https://www.jleague.jp/match/j1/2026/042504/live/#coach

補足:オ・セフンがハイボールの競り合いで必ず後ろ向きになるので、その時の攻撃の切り替え時にチームとして面でセカンドボールにアプローチ(全体のライン単位で圧を掛けたい)したいから、なんとなく密集+NOTプレッシャーにしているのかな?とも個人的には取れた。

3分31秒からの藤井の差し込みからの展開は、プレスの約束が恐らく稲垣が下がったようなタイミングだった中で、稲垣・森島を囲んでいるような形から2人が3トップのポジション間に入ったのでボランチのみプレスに切り替えた。嶋本が絞った上で2列目が守備で高い位置を取った段階で右サイドの原はフリーにしている関係上、確実に大畑が原を見なければいけないので、ラインに合わせて下がるのはほぼ不可能。それに加えて、ボランチの裏に山岸、和泉が落ちることをリスク管理で考えるとなると、清水の左サイドと右サイドに縦のギャップが生まれることは必然だった。

結局、名古屋は嶋本が原に対して広がる時間で延々とビルドアップをやり直せるので、清水がズレて~戻して~を繰り返す。そうするとボランチが我慢できずに前に圧縮。すると名古屋が長いボールでギャップに出す(17分47秒から)の繰り返し。33分13秒からの和泉の場面は清水のプレスタイミングだったものの、プレスのギャップを突かれて抜け出した。

(原の所の時間の話は本人の口からも~)

👍ポイント

個人的な意見にはなってしまうが、稲垣・森島にポジション間に入られた3トップ。立ち方を変えていないということは、藤井と高嶺が縦向きに刺すパスコースを消したいから立っている、というのが自然な考え。だったら、オ・セフンとステファンスが半列前で藤井と高嶺の前で消しても本質は同じじゃない?と感じた。

そこが消えなければ、その2人が稲垣・森島を消す形にも移行しやすい。さらに、そこが消されたら名古屋は稲垣を下げて高嶺を広げるリアクションを取る可能性が高いわけなので、2CBになったら嶋本を下げてステファンスとオ・セフンで2トップで数を合わせるのも、自分達の想定の形に持っていけたのではないか。名古屋側から見るとちょっとした謎であった。

ポリシーを守るのかどうかの選択

後半に入ると、清水がプレッシャーを強めたというよりは、名古屋側が「稲垣を下げてSBを作りなさい」というポリシーを再確認してやり始めたことで、清水的には守備が楽になった。「ズレてるから長いボールを入れてます!」から、徐々に「後ろが噛み合ってるから逃げて蹴ります!」になる名古屋。そうなると、守備からマンツーマンで!の色を強く出さざるを得なくなる。(能動的な攻撃が減る分、能動的な守備の時間を増やすために)

前半からマンツーマンのところは間延びしていたので、清水的には63分52秒からのような、ボランチを落としてサイドを広げ、オープンな形でボールを運ぶ形が増えてくる。

結局60分からの何本かのロングボールで裏を取る場面は、清水の前線2枚が2CBを放置して1ボランチを中央の5枚で囲んでいる形からのスタートで、特に前後半から変化はなかった。

清水はIH-WBの外の押し上げに厚みをかける分、名古屋も4-4-2の6枚に変更する。立ち位置を相手に合わせるという初めての決断。当然、配置が攻撃のためのセットアップである名古屋としては、この選択は後ろ向きに見える選択だった。

試合雑感

  • 38分26秒、スローインのエラー直後の場面を取り上げたい。名古屋はこの局面でマンツーマン的な立ち位置を選択していた。マンツーマンは、各選手が自分のマーク相手に責任を持つことで初めて成立する守備で、誰か1人が持ち場を離れた瞬間にマークの基準点が崩れ、連鎖的に穴が開く構造を持っている。ところが実際には、オ・セフンにボールが入った途端、森島までもがオ・セフンに寄っていった。本来、森島はマテウス・ブエノを見ているはずだが、ボールに釣られて持ち場を放棄してしまった形になる。「全員が楽な方=ボールに行く方」を選んだ結果、当然空いてはいけないスペースが空き、ピンチに繋がった。問題なのは、この選択がミシャが提示した設計や約束事と整合していないことだ。戦術が機能しないのは仕方がない部分もあるが、設計を共有した上で、選手側が局面ごとに納得感のないプレー選択でそれを無視してしまうのは別の話。試合が壊れるきっかけは、こうした「構造の無視」から生まれることが多く、ここは戦術論ではなく姿勢の問題として言い訳が効かない。
  • ゴール前まで行かれる展開は、基本的にはオ・セフンに負けてポジション間に立つ選手から早い流れで~的な部分で、シーズンを通して変わっていない「マンツーマンの間延びの隙間」と「対面の勝ち負け」に依存する部分。
  • 吉田監督のコメントでも、ほぼ戦術的にできていなかった旨の話だったが、まさに戦術エラーのところが大きすぎて、名古屋的にはチームの練度を上げていく点では経験値は少なかった試合だった。

最後に

90分勝利のため、600万円追加。第12節終了時点で、

今シーズン獲得賞金(理念強化配分金+特別助成金を除く): 4200万円

セパの新人王(西川・荘司)達を雇える金額獲得!

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