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[エッセイ] 「機会はあった」という残酷 #grampus

今週末、名古屋グランパスのJ1百年構想リーグが終わります。順位がどうであれ、最後の90分には一区切りという感慨があるはずです。でも、サポーターにとって本当に落ち着かないのは、笛が鳴ったあとの時間かもしれません。

6月末。契約切れという、毎年やってくる現実的な締め切りが待っています。

ここから始まるのは、勝ち負けではなく、人の去就をめぐる発表の季節です。

契約満了、そして移籍。クラブの編成という冷たい論理が、応援してきた個人の物語とかさなります。

少し整理してみましょう。現在トップチームは35名で構成されています。

2026-27シーズンのグランパス(暫定版)
2026-27シーズンのグランパス(暫定版)

このうち百年構想リーグで出場機会があったのは28名でした。

残る7名はどうでしょうか。

怪我がない限り出番が回りにくいGKが2名。

長期離脱中のマテウス カストロと小屋松知哉。

そして夏から始まるU21リーグの対象となる若手が3名。

こうして並べると、出場が少なかったことに、それぞれ「説明のつく理由」があることがわかります。

だからこそ、本当に怖いのはそこではありません。

スポットライトが当たるのは、機会はあったのに、その機会を伸ばしきれなかった選手たちです。

出番がなかった選手には事情があります。

けれど、ピッチに立つチャンスを与えられ、それでも序列を上げられなかったとなると、編成の天秤の上ではもっとも判断の難しい位置に置かれてしまいます。

本人の責任ばかりではありません。噛み合わせ、コンディション、ほんの少しのめぐり合わせ。

サッカーにおける「あと一歩」は、しばしば本人の努力とは無関係に決まります。

そして残酷なのは、その「あと一歩」が、契約満了という言葉になって突きつけられることです。

シーズンの終わりは、勝点や順位の終わりであると同時に、誰かにとっての名古屋での時間の終わりでもあります。

スタンドから名前を呼んだ選手、ゴール裏で背番号を探した選手の中に、もうこのユニフォームでは見られなくなる人がいるかもしれません。その足音が、百年構想リーグ最終戦の高揚のすぐ裏で聞こえている気がして、どうにも落ち着かないのです。

発表が出るまで、まだ何も決まってはいません。

だからこそ今週末は、結果と同じくらい、ピッチに立つひとり一人をしっかり見ておきたいと思います。

それが、送り出すかもしれない側にできる、せめてもの礼儀のような気がするのです。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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