昨日、名古屋公式に以下のような募集が掲載されました。
新規社員募集のご案内:WEBマーケティング担当者2次募集のお知らせhttp://nagoya-grampus.jp/information/misc/2015/0523web2.php
業務内容は以下の通りです。
Webマーケティング
・Webによるマーケティング戦略の企画立案
・顧客情報を元にしたCRM活動との連携
・公式サイトのリニューアル他
これ、Webの本職の人間に言わせれば、オールマイティなスーパーマンを募集する、ということになると思います。
例えば弊社Future Grampus Inc.(ということにしておいてください)の場合、どのような職種構成になっているかというと、
- MP(プロデューサー:企画立案からビジネス検討)
- Web集客(SEO、Web広告、Webアクセス改善(アクセス解析結果に基づく動線の改善))
- ビッグデータ解析(アクセス解析、ユーザー属性情報などをもとにしたデータ解析を主とするデータサイエンティスト集団)
- UI/UXデザイン(ユーザーインターフェース、ユーザー・エクスペリエンスのデザイン)
- プロジェクト管理(外注との制作管理)
- 運用チーム
上記のような分類になります。今回の募集、Webマーケティング職種といいながら、Web全般をできる社員を募集していることになります。
本来WebマーケティングといえばWeb集客職種の人間を指すのですが、職務内容は上記全部、もしくはWebページの制作まで入っているので、その外注の分野まで含んでいることになりますよね。こういった人材募集では内容と募集内容が一致してないとそれだけで信用を失います。そこから改善していく必要があるでしょう。
Webマーケティングという言葉を前面に出している意味
WebマーケティングはWebを使って集客する仕事ですが、本来はプロデューサー職のやる企画も含めたとしたら以下のような構図になります。
プレアクセス=サイトに対する集客は検索エンジン最適化や広告で行い、オン・アクセス(アクセス中)はAdobeやグーグルのサイト解析ソフトを用いてアクセス状況を解析します。
そしてポスト・アクセスでリピート率の改善などの手立てを行います。
ただ、ここで重要なのはコンバージョンです。コンバージョンとは商用目的のWebサイト上で獲得できる最終的な成果のことです。名古屋グランパスの場合、何が最終的な成果なのでしょうか。
上記のように、コンバージョンポイントは様々です。名古屋の場合はコンバージョンはスタジアムに足を運んでもらうことではないでしょうか。
スタジアムに足を運んでもらうためにはチケットが必要です。となるとコンバージョンポイントはチケットの購入ということになります。
そうなると現在のJリーグではチケット購入はJリーグ.jpか、プレイガイド=チケット販売業者(ぴあなど)になりますので、チケット購入に至るまでの流れを最適化していくことが必要です。
もしも名古屋が観客動員を増やすと考えると、チケットを購入してもらうことになる。チケットを購入するためのユーザー行動の流れを行動フローにまとめてみると以下のようになります。
本来であれば、カスタマージャーニーマップと呼ばれるもので細かく分析するべきなのですが、今回は割愛します。上記を見ていただいたとおり、一番左の認知・興味=インバウンドの流れを増やすことの打ち手が最も重要なのです。
今現在、インバウンドの流れは最近よくやっているデジタルサイネージなどの屋外広告が効果が高いとみなされているようですが、今回、「Webマーケティング」と呼ばれる職種の採用を行うということは、このインバウンドの流れに「Web」を本格的に活用しようとする決意の現れではないか、と想像しています。(単純に内製化して、素早い行動をとれるようにしようと思っているだけ・・・ではないと信じています)
優秀なWebマーケターを獲得するためには
公式サイトに掲載するだけではどれだけのユーザー層にリーチするかというと不明です。
転職サイトをご覧ください。
https://doda.jp/guide/heikin/2010/008_01.html
これは5年前の数値で、今ではさらに数十万円程度アップします。経験がものを言う職種ですので、30歳くらいの脂の乗ったマーケターなら、今では1000万円近い年収を得ていても不思議ではありません。
公式サイトを見てくる人間は名古屋グランパスを少なからず興味を持っている人間です。そういう人間であれば多少不安定な、不明なことがあっても入社してくれるかもしれません。しかし本当に優秀なマーケターが欲しいなら、その人間の好意に甘えず、適切な待遇を具体的に示して求人をすることを強くお勧めします。優秀なマーケターなら高い年俸を補って余りある効果をチームに与えてくれるはずです。それを認識したほうが良いでしょう。
次回は中断期間にインバウンド・マーケティングについてお話しようと思います。