悔しい敗戦となってしまいました。今節は天皇杯のレビューと比較しながら振り返って見てください。
(天皇杯レビュー↓）
試合情報
天皇杯からの変更点。浦和は安居→小泉、興梠→ホセカンテ。名古屋はマテウス→森島
変わり所を狙え
浦和は名古屋の3421に対して343と4141のような守備陣形を使い分ける。名古屋が低い位置で回している時はホセカンテ、大久保、小泉の3枚が名古屋の最終ライン3枚に当たる形を取る。
前線3枚で制限が効いてない(名古屋の最終ラインが食いつき待ちで誘ってきている)と見ると、引いて4141のようなブロックを組むという変形をする。
この守備の形態で懸念されるのは343から4141へスイッチするタイミングで起こる溝(空間)の部分の処理だ。
特に浦和の右サイドはスイッチによって動く必要が出てくる選手(酒井、大久保)が多い。
下がりながら構えているように見えて、守備方式を変える瞬間は名古屋にスペースを与え、自分たちから2択を与えるような時間を必ず与えてしまう。
失点シーンは守備陣形のスイッチで一番強く浮く森下を使わずに大久保と伊藤のゲートを通しに行った所からの失点。
失点シーンは今節の名古屋の守備とも深い関わりがあるので、掘り下げる。
守備の構造変更
名古屋は天皇杯の時に比べて少し守備に手を加えた。というよりは攻撃から逆算した形を取っている。
左サイドで裏返すことが出来る可能性を見出した事で、天皇杯の時には右肩上がりのような形を取った守り方から、人に当たる形を取る。
この形を取ることでボールを持った際の攻撃の瞬間最高速度が強くなる分、選手間の距離が空くので、最高速が出せなかった場合の加速力(人を経由しながら前進するチカラ)が落ちる。
天皇杯で中盤のフォローの為に守備に入ってくれていた永井も、この守備の構造では走る距離が長すぎる。
失点シーンでは、後ろが時間を作り、野上も前後動で明本まで詰めたが、守備参加に20秒近く有した森島の守備精度で万事休す。
ダブルチームで空くはずがないと思っていたパスコースがあいた事に内田と稲垣が気付いた時にはホセカンテが動き出していた。
相手を動かす
後半に入ると浦和は442のような形、名古屋は352のような形を取る。この両チームの布陣変更の噛み合わせが後半のポイントとなる。
大久保が森下に押し込まれてかなり低い位置に押し込まれる。そこに丸山が持ち上がることで左は優位性を取る。
外を経由することで人の裏に簡単にボールを運ぶことが出来るようになる。
2列目が2枚になった事で浦和は横への広がりに対して苦労し始める。
名古屋は徹底して右では前田、野上で押し込み左では森下を使う事で伊藤や岩尾をサイドへ釣り出す形を作る。
浦和のブロックを割ってしまう。という明確な準備段階が出来たことで、稲垣の前線への参加率も高くなる。
森島も中央の1.5列目に立ち位置が変わった事で、周りも稲垣や内田の攻撃時の役割が明確化された。
森島本人も役割が明確化され、ビルドアップの部分でも中央で数的優位を取る役割や左右どちらにも顔を出すことが出来る立ち位置となった。
こういった「構造の明確化による役割の獲得」は名古屋に取って非常に重要で、国立新潟戦では和泉の負傷で役割変化が起きて難しい時間が訪れたが、その逆が浦和戦では起きた。
試合雑感
- 悔しいのは勝てると思う場面が多かったからこそ
- 前田のように立つだけで相手の構造にヒビが入る選手は中々いない。早く調子を取り戻してくれれば。
- 酒井と永井の2人が相手に突きつける「どっちが斜めに抜け出すでしょうか？」という2択はかなり有効に見えた。流れる形をもう少し酒井には与えてあげたい。
さいごに
never give up.