こんなニュースが出ていました。ACL-E/2に出場するための資格となるクラブライセンスについて、結果が出たのです。

結果はライセンス付与。あとは成績が伴えば、ACLの舞台にも行けます。
ただ名古屋グランパスにはGKコーチには楢崎正剛さん、フィットネスコーチには山田魁人さんがいます。楢さんで満たせない資格要件って?っていうことでまとめてみました。
こちらの定義は AFC Club Licensing Regulations (Edition 2026) にあります。
ただし英語です。
ちょっとまとめてみると以下のようになります。
MCRの基本的な考え方
今回求められたのはMCR(Minimum Coaching Requirements:最低指導者資格要件)というものに準拠しなさいよ、ということです。 MCRは主にAFC主催大会に参加するクラブやチームの指導スタッフが最低限保有すべきコーチ資格(ライセンス水準)を定めた基準のことです。
- AFCがアジア全体の指導者レベルを底上げするために設定
- 各クラブ・代表チームの「役職ごとに必要な最低ライセンス」を規定
- 主に以下の大会で適用
- AFCチャンピオンズリーグ(ACL・ACL Elite等)
- AFCカップ/チャレンジリーグ
- 女子チャンピオンズリーグ など
つまり「この大会に出るなら、このレベル以上の指導者を置きなさい」というルールです。
男子クラブ大会(ACLなど)の具体的な要件
男子トップ大会ではさらに高水準となるのが一般的です。
- 監督
→ AFC Pro Diploma(最上位)が求められるケースが多い - アシスタント
→ AまたはBレベル
※AFC Pro Diplomaはアジア最高位資格で、プロクラブや代表監督向け
MCRのポイント整理
① 「大会参加資格の一部」
クラブライセンス制度の一環であり、満たさないと大会出場が認められない可能性あります
② 「役職ごとに細かく設定」
単に監督だけでなく以下も対象になります。
- GKコーチ
- フィジカルコーチ
- ユース指導者
③ 「同等資格の代替も可」
AFCは、以下の資格との同等認定制度も用意しています。 [AFC Techni…standards]
- UEFAなど他地域資格
- 実務経験の評価
④ 「段階的に引き上げ」
AFCは継続的に基準を引き上げる方針です。それはアジア全体の指導力向上が目的と考えられます。
AFC Coaching Conventionとの関係
MCRは単体ルールではなく、 AFCの教育制度基盤である
AFC Coaching Convention(指導者養成基準)
に基づいており、
- B → A → Pro のライセンス体系
- 育成・教育・更新制度
などとセットで運用されています。
AFCのMCRとは:AFC主催大会に出場するチームが配置すべき「最低限のコーチ資格水準」を定めた制度です。
- 役職別に必要ライセンスを規定
- 満たさない場合は出場や登録に制限
- AFC全体の指導レベル向上を目的
① MCRの求めるコーチ(Assistant)要件
▶ AFC B Diploma以上
位置づけ
- AFCの中級ライセンス(C→B→A→Proの2段階目)
- 主にユース〜アマチュア〜セミプロチームの指導を担うコーチ向け
役割イメージ
- チームのメイン戦術の実践・指導担当
- 練習の設計・実施
- 個々の選手育成(特に14〜18歳年代)
👉「現場で実際に選手を伸ばすコーチ」
内容(何を学ぶか)
- トレーニング設計(テーマ別練習)
- 戦術理解(攻撃・守備原則)
- ゲーム分析(簡易分析)
- 選手育成(ユース年代の発達)
- コーチング技術(指導法・声かけ)
👉「現場で指導できる力」を重視
② MCRの求めるGKコーチ要件
▶ AFC Goalkeeping B Diploma以上
位置づけ
- GK指導の専門資格(フィールドコーチとは別体系)
- Bはその基礎〜標準レベル
役割イメージ
- ゴールキーパー専任指導
- シュートストップ・ポジショニング・判断力の育成
- チーム戦術におけるGKの役割指導
👉「GKに特化した専門職」
内容(何を学ぶか)
- GK技術
- キャッチング
- セービング
- ダイビング
- 戦術理解
- ビルドアップ参加
- 守備ラインとの連携
- フィジカル
- 反応スピード・ジャンプ力
- トレーニング設計
- GK専用練習メニュー
特徴
- フィールドコーチ資格とは別に運用
- 最近は戦術的重要性が増大し、MCRでも必須化
③ MCRの求めるフィットネスコーチ要件
▶ AFC Fitness Level 1以上
位置づけ
- フィジカル専門スタッフ資格(スポーツ科学系)
- Level 1は入門〜基礎資格
役割イメージ
「体力・パフォーマンスを管理する科学的スタッフ」です
- チームのフィジカルコンディション管理
- トレーニング負荷調整
- 怪我予防・リハビリ連携
内容(何を学ぶか)
- 運動生理学(基礎)
- トレーニング理論
- 持久力
- 筋力
- スピード
- コンディショニング管理
- ウォームアップ/クールダウン設計
- 負荷管理(疲労・回復)
3つの資格の違い(整理)
役割 | 資格 | 分野 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
コーチ | AFC B Diploma | 総合(戦術・指導) | チーム全体 |
GKコーチ | AFC GK B Diploma | GK専門 | ゴールキーパー |
フィットネス | AFC Fitness Level 1 | フィジカル | 全選手の体力 |
重要なポイント
①「分業化」が前提
現代サッカーでは以下の3種類のコーチが完全に専門分化しています。Jリーグでは当たり前ですが、それをアジア全体で守っていきましょうということです。
- 戦術コーチ
- GKコーチ
- フィジカルコーチ
② MCRは「最低ライン」
- これらはあくまで最低基準
- 上位大会ではさらに高資格が要求される
③ 全てAFC統一基準
これらの資格は
- アジア全域で共通
- UEFAなどとも将来的に相互認証が進行
AFCライセンスと日本のJFAライセンスはほぼ互換
レベル表記が違うライセンスはあるものの、ほぼJFAライセンスと一緒です。
つまり、日本のライセンスはAFCとほぼ同じ階層構造で、一定条件を満たせば同等資格として認定されます。
日本での資格
- JFA GKライセンス体系
- GK Lv1(基礎)
- GK Lv2(中級)
- GK Lv3(上級)
- C級(基礎)
- B級(中級)
- A級(上級)
役割 | AFC要件 | JFA対応 |
|---|---|---|
アシスタントコーチ | AFC B Diploma以上 | JFA B級以上 |
GKコーチ | AFC GK B Diploma以上 | JFA GK Lv2以上 |
フィットネスコーチ | AFC Fitness Level1以上 | JFAフィットネスC級以上 |
自動ではなく「認定手続き」が必要
JFA資格を持っていても、自動的にAFCライセンスが付与されるわけではありません。その逆も含めて申請が必要です。
楢さんはどうなの?
楢さんは2019年から2024年までU-18チームのGKコーチを務めており、それ以降トップチームのGKコーチを務めています。そのため実は、JFA GK Lv2を取得しているかどうかは、かなりギリギリです。
GK Lv1 → 現場経験 → GK Lv2は、最短2年、最遅で6年と言われています。そう考えると、もしかするとLv2を取得していない可能性があります。その場合は楢崎正剛さんがLv2を取るまでこのライセンス未充足の警告が出続けるかもしれません。
持っていても取得したばかりで、まだAFC GK B Diplomaの申請がされていない可能性があります。
山田さんは?
頑張りましょう!


