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連敗後の不安と批判に、どう向き合うか? 感情・試合の評価・将来の予測を分けて考える #喋る机 #grampus

連敗後の不安と批判に、どう向き合うか? 感情・試合の評価・将来の予測を分けて考える #喋る机 #grampus

9月2日のサンフレッチェ広島戦は0-3、6日のFC町田ゼルビア戦は1-3。名古屋グランパスは、二試合続けて3失点で敗れました。その後に続くのが、12日のV・ファーレン長崎戦です。この記事は本来昨日公開しようと思っていた記事ですが、浅野雄也の怪我で急遽差し替えました。でも、V・ファーレン長崎戦の前に是非読んで欲しい記事なので、2026年9月11日、試合前日に公開します。

長崎戦をどう評価するにしても、その前の二試合で何を感じ、何を問題だと思っていたのかは、整理しておきたいところです。

連敗すれば、悔しい。腹も立つ。このままで大丈夫なのか、と不安にもなる。一方で、選手起用や交代策、相手への対応について、具体的に話したいこともあります。

ところが、その話を始めようとすると、「悲観的すぎる」「まだ擁護するのか」というやり取りになってしまうことがあります。これでは、肝心の試合の話が進みません。

今回は、敗戦後にどんな気持ちが生まれるのかを考えながら、感情、試合の評価、将来の予測を分けて、批判の中身を話し合う方法を探してみます。

※文中の投稿例は説明のために作ったもので、特定の投稿の引用ではありません。研究から紹介する傾向と、名古屋の状況についての私たちの考察も、分けて読んでいただければと思います。


デスク「どうもデスクです。」

デスク

喋る机:用語解説:スポーツ紙や夕刊紙(『日刊ゲンダイ』『夕刊フジ』『東京スポーツ』等)の記事にたびたび登場する「デスク」の異称。『日刊ゲンダイ』の記者室に生息すると噂されるものが特に知られており、現地取材を経ずに「記者と机の対話」のみで記事を構成する独自かつ省力化された(?)取材スタイルで一世を風靡した。紙面に掲載される喋る机記事は、あくまで「記者と無機物たる机による高尚な対話の記録」という形式をとる。
野暮を承知で補足すると、ここでの「デスク」とは怪奇現象の類ではなく、新聞社で取材の統括や記事のデスクワーク(校閲・承認)を担う実在の役職者を指す。

記者「どうも記者です。デスクよろしくです」

記者

悔しいし、交代策にも不満がある

デスク「どうもデスクです。広島に0-3、町田に1-3。二試合続けて3失点は、しんどいな」

記者「先のことまで心配になりますね」

デスク「ただ、町田戦は後半途中まで1-1で戦えていた。浅野の怪我も痛かったし、試合ごとの事情はある」

記者「あります。ただ、それを聞いても『だから仕方ない、で終わらせていいのか』と感じる人はいるでしょうね」

デスク「確かに。事情の説明を聞きたい人もいれば、そのうえで対応を変えられなかったのか、と聞いている人もいる」

記者「そうです。そこで『悲観的になるな』と返すと、聞きたかったことに答えてもらえていないと感じると思います」

デスク「でも、こっちも何でも問題なしと言っているわけではない」

記者「お互い、違う話に答えているのかもしれませんね」

デスク「じゃあ、今日はそこを整理してみようか」

「気持ち」「試合の見方」「この先の話」

記者「例えば、こんな投稿があったとします」

また負けた。悔しい。交代後に守備が悪くなったし、このままでは降格する。

デスク「一つの投稿だけど、いくつか話が入っているな」

記者「はい。分けると、こうなります」

言葉何を伝えているか話し合うときの入口
悔しい、つらい本人の感情まず、その気持ちを受け止める
交代後に守備が悪くなった試合についての評価どの場面で、何が変わったのかを見る
このままでは降格する将来についての予測何が続くと考えているのか、その根拠を確かめる

デスク「『まだ降格が決まったわけじゃない』と返しても、交代策への不満には答えていない」

記者「はい。逆に『悔しかったね』だけでは、試合の問題を話したい人には物足りないでしょう」

デスク「『悔しい』は分かる。でも『交代で悪くなった』については、違う見方もある。そういう返し方はできるわけだ」

記者「できます。気持ちに共感することと、分析に同意することは別ですから」

デスク「全部賛成か、全部反対かにしなくていいんだな」

連敗したら、先まで心配になる

デスク「それでも、負けた直後にそこまで整理して書けるかな」

記者「難しいと思います。敗戦後には、いろいろな感情が出ますから」

日本のサッカーファン333人を対象にした研究では、敗戦側は勝利側に比べ、試合後に怒り、ふさぎ込み、屈辱感などを強く示していました。Kerrら、2005

デスク「町田戦も、『首位相手に戦えていた』からこそ、『勝点を取れそうだったのに』となる」

記者「そうですね。善戦したという評価が、悔しさを小さくするとは限りません」

デスク「しかも、その前に広島戦で負けている」

記者「『今日は残念だった』に、『この先も同じことが起きるのでは』という不安が重なることは考えられます」

デスク「『もう期待しない』と先に言っておきたくなる人もいそうだ」

記者「いるかもしれません。誰かに聞いてほしい人、これ以上がっかりしたくなくて期待を下げたい人、何とかしてほしいと訴えている人。言葉が似ていても、気持ちは違うと思います」

デスク「でも、『あなたは不安だからそう書いているんですね』と、こっちで決めるのも違うよね」

記者「はい。根拠を挙げて心配しているのに、気持ちの問題にされては困ります」

デスク「心理の話は、相手の言っていることを取り消すために使うものじゃない」

記者「そうです。怒っているから指摘が間違いになるわけでも、落ち着いて話しているから正しくなるわけでもありません」

「交代が悪かった」を、もう少し詳しく話す

デスク「では、交代策の話をしてみよう。町田戦では浅野が下がって、山岸が右シャドーに入った」

記者「そこから、昌子源へのプレッシャーが弱くなったのではないか、という見方ができます。(このあたりは別記事でも話しましたが思考経路のトレーニングです)」

デスク「そう思ったら、何を確かめる?」

記者「まず交代前後で、誰が昌子に出ていたのか。出るタイミングや距離は変わったのか。昌子が前を向いてボールを出せる場面が増えたのか。そういうところです」

デスク「山岸が入ったという事実と、プレッシャーが弱くなったという評価を分けて見るわけだ」

記者「はい。その変化が確認できたら、次に理由を考えます。山岸個人の動きなのか、周囲との役割分担なのか、町田の動かし方が変わったのか」

デスク「『本来CFの山岸を使ったからダメだった』だけでは、まだ説明が足りない」

記者「そう思います。ただ、交代後の守備に問題があったという指摘まで、否定する必要はありません

デスク「浅野と同じ仕事を、山岸にどこまで求めるのか。違うなら、周りは何を変えるのか。そこは話せるな」

記者「そうです。『山岸が悪い』『監督が悪い』で止まっていた話が、交代後の仕事の分担をどうするか、という話になります」

デスク「じゃあ、山岸を使った判断を支持する側は?」

記者「何を期待できる起用だったのかを説明したいです。例えば前線でボールを収めることを期待した、という仮説なら、実際にそれができたのかも見たい」

デスク「起用に狙いがあったはず、で終わりではない」

記者「はい。狙いとして考えられることと、実際に得られたものは分けたいです」

内部事情が分からなくても、話せることはある

デスク「野上の状態や、交代の判断も気になるところだね」

記者「ただ、ベンチが怪我の状態をいつ、どこまで把握していたかは、公式のソースで明かされた範囲でしかこちらには分かりません」

デスク「それだと、結局『現場しか分からないから何も言えない』にならない?」

記者「そこまでは言いません。映像で動きに変化が見えるなら、その変化や、周りがどう補っていたかは話せます」

デスク「判断理由は分からなくても、ピッチで起きたことは検討できる」

記者「はい。公式のソース(監督インタビュー)では『痛めていると分かっていたが、本人の「やれる」という言葉を受けて交代をハーフタイムまで引き延ばした』と言われていますが、それ以上を論ずるには情報が足りませんが、『右サイドが苦しくなったとき、対応は十分だったか』は検討できます」

デスク「既に浅野の交代があったことも、考える材料にはなる。確かに交代機会を2回前半で使ってしまうのは怖い。ただそれで野上が重症化してしまったなら、代償の大きい判断になるかもしれない。どう考え、どう決断したのか、そこの判断のロジックは断定はできないな」

記者「そうですね。当時残っていた選択肢や、ほかの選手の状態も関係します」

デスク「では、別の交代を提案する人は、勝てたことまで証明しないといけない?」

記者「それは無理ですし、必要もないと思います。起きなかった試合の結果は分かりませんから。ただ、何を改善するための交代なのか、代わりに難しくなることは何かは、考えたいです」

デスク「その基準は、実際の采配にも同じように当てはまる」

記者「はい。負けたから全部間違いとも言えませんし、事情があったから全部妥当とも言えません」

「対策された」と「この先も通用しない」の間

デスク「次は『ミシャ式はもう対策された』という話だね」

記者「まず、何を対策されたのかを具体的にしたいです。ボールの運び方なのか、前からの守備なのか、奪われた後の対応なのか」

デスク「広島戦も町田戦も3失点。ただ、それだけでは同じ問題が出たとは言い切れない」

記者「そうです。似た形で何度も苦しくなったのなら、その場面を比べる。違う形なら、それぞれに問題がなかったかを見る必要があります」

デスク「では、『対策なんてどのチームもされる』と返すのは?」

記者「それだけでは答えになっていません。相手の対策を受けて、名古屋が何を変えられたかが問われているので」

デスク「一方で、対応できなかった試合があるから、これからも絶対に無理だ、というのも話が飛ぶ」

記者「はい。『相手が対策をした』『名古屋が対応できなかった』『今後も修正できない』は、順番に確かめたいです」

デスク「ただ、修正できる可能性がある、と言い続けるだけでも困る」

記者「そこは大事です。何を見れば修正できたと言えるのか、どのくらい同じ問題が続いたら見直しが必要なのか。今の体制での改善を期待する側も、考えておく必要があります」

デスク「未来の話だから分からない、で検討を止めるわけではないんだな」

記者「はい。分からないなりに、どんな条件で良くなる、悪くなると考えているのかを話せます」

「降格が怖い」と「降格すると思う」

デスク「『降格が怖い』と言っている人に、いきなり確率を示せと言うのも変だな」

記者「不安を話しているのであれば、まず何が怖いのかを聞きたいですね」

デスク「怪我人が増えた・これからも増えることなのか、失点が減らないことなのか、点が取れないことなのか」

記者「そうです。一方で、予測として『降格すると思う』という話を純粋にするだけなら、どうしてそう考えるのか、ほかの材料も必要になります」

デスク「勝点の積み上げ方や、周りのクラブとの比較、今後の対戦相手。それに怪我人の復帰や、チームの改善がどの程度見込めるか。」

記者「はい。しかし直近の二試合も材料になりますが、それだけで決めるのは難しいです」

デスク「では逆に、『残留は大丈夫』と言う側は?」

記者「同じように根拠が必要です。『まだ序盤だから』『怪我をした主力が戻るから』だけでは、降格を不安に思う人が安心できるとは限りません」

デスク「戻る時期も、戻った後にどれくらいできるかも、分からない部分があるからな」

記者「だから、『誰がいつ戻れば、何が改善しそうなのか』『戻るのが遅れたらどうなるのか』と、条件を添えて話したいです」

デスク「不安そのものを否定せず、予測として話す部分は根拠を見る」

記者「そうです。『この先が怖い』と『この先はこうなると思う』を分けるだけでも、やり取りは変わると思います」

「変えてほしい」にも、理由がある

デスク「ただ、批判する人が全員、代案や様々な分析結果を持っているわけではないよね」

記者「もちろんです。代案を用意できなくても、問題を指摘することはできます」

デスク「『怪我人が出るたびに苦しくなるのは困る』という不満は、それだけでも意味がある」

記者「はい。『主力が揃えば戦える』ことと、『誰かが欠けてもシーズンを戦える』ことは違いますから。改善を求める理由になります」

デスク「その先で、監督交代や補強を求めるなら?」

記者「その方法で何が改善しそうなのか、実行できそうなのか、別の問題は生じないのか、と話を進めたいです」

デスク「今の体制で続けるほうも、同じだな。何を変えて、どんな改善を見込むのか。今が万全の状態ではないからな」

記者「そうです。今のまま続けることにも、変えることにも、考えるべき点があります」

デスク「批判する人だけに完璧な解決策を求めるのは、おかしい」

記者「はい。ただ、問題の指摘がもっともであることと、その解決策が適切であることも別です。そこは一緒に考えたいですね」

意見が違っても、愛情を比べなくていい

デスク「ここまで具体的に話しても、最後は意見が分かれるだろうな」

記者「分かれると思います。同じ場面を見ても、何を重く見るかが違いますし、分からない情報もあります。
なによりもチーム観戦になにを求めているのかもバラバラですので」

デスク「そこで『まだ擁護しているのか』『本当のファンなら信じろ』となると、その両者の溝は深まるばかりだな」

記者「クラブへの愛情の話にすると、試合や判断について話せなくなりますね」

英国男性サッカーファンを対象にした研究では、チームとの一体感の強さと、敗戦後の怒り・悲しみの表れ方との関連が報告されています。ただし、それを逆に読んで、怒る人ほど愛情が深い、穏やかな人ほど浅いと判断することはできません。Crispら、2007

デスク「SNSで賛同が集まったら、自分の見方に自信もつくよね」

記者「そうでしょうね。ただ、同意してもらえたことと、試合についての説明が確かになったことも、分けて考えたいです」

デスク「『みんな言っている』を理由にしない。これは楽観的な意見でも同じか。もちろん俺を含めて誰かが言っている、も理由にしないほうがいいな。」

記者「はい。『前から言っていた』でも『ずっと信じている』でも、目の前の材料に戻れるかどうかだと思います」

デスク「具体的には?」

記者「「前から降格を心配していた。だから今回もやっぱり心配」ではなく、「今回の二試合で実際に何が起きたかを見て、それでも心配なのか」を確かめる。
「ずっとチームを信じてきた。だから大丈夫」ではなく、「今回の二試合の内容を見て、それでも大丈夫だと言えるのか」を確かめる。というようにできるかどうかです。」

デスク「俺たちも『相手が強かったから』『怪我があったから』ばかりになっていないか、気をつけないとな」

記者「批判に反論したいときほど、反射的にレスを書く前にまず、その人が何を問題にしているかを確かめたいですね」

話し合っても、結論が同じになるとは限らない

デスク「結局、感情、試合の評価、将来の予測を分けると、何が変わる?」

記者「例えば、『悔しいのは同じ。交代後の守備が心配なのも同じ。ただ、監督交代が必要かは意見が違う』と分かります」

デスク「全部対立していたように見えたけど、一致しているところもある」

記者「はい。そうすれば、次は監督を代えることで何が良くなると考えるのか、今の体制で何を修正できると考えるのかを話せます」

デスク「逆に、交代後の守備が悪くなった、というところから意見が違うなら?」

記者「まず場面を見直す。将来の話をする前に、そこで何が起きたかを確かめればいいと思います」

デスク「相手を楽観的にすることが目的ではないんだな」

記者「はい。問題が見つかって、むしろ評価が厳しくなることもあるでしょう。それでも、何を問題にしているのかがはっきりすれば、意味のある話になります」

デスク「そもそも、アドラーって人が言っていたように「他人の行動や考えを変えることはできない。変えることができるのは自分のことだけ」だ。
俺たちがこうやって記事を書くことも、他人の考えを変えようとしているわけじゃない。
こうやって整理ができるようにすることで、自分の考え方をモヤモヤからハッキリさせることもできる。」

記者「私たちがこうやって発信していることで、それを見た人が考えを変えるかどうかはその人次第、ですよね。

長崎戦を経て、何を考え直すか

デスク「広島戦、町田戦、そして長崎戦。新しい試合の結果も、もちろん評価に入れたい」

記者「はい。そのうえで、広島戦や町田戦で気になった問題がどうなったかも、見ていきたいです」

デスク「勝っても問題が残ることはあるし、負けても修正できたところはある」

記者「そうです。ただ、『内容は良かった』で勝点を失った重さを軽く扱うのも違います。改善が見えたかと、それが結果につながっているかは、両方見たいです」

デスク「反対に、一つ勝ったから心配していた人は間違い、とも言えない」

記者「心配していたことへの対応が進んだから勝てた可能性もありますからね」

デスク「次の材料で、自分の見方を変えてもいい。
前にこんな風に書いたから、自分の考え方変えるのはカッコワルイ、なんて思わなくていい」

記者「はい。結論を守るために試合を見るようにはなりたくないです」

デスク「負けたら悔しい。交代策に不満もある。この先も心配。それぞれ、話していいんだよな」

記者「もちろんです。毎回整理して投稿する必要もありません。ただ、誰かと話すときに、今どの話をしているのかが分かると、すれ違いを減らせると思います」

デスク「気持ちは受け止める。そのうえで、指摘されている問題をちゃんと見る」

記者「批判に反論するなら、その中身に答える。賛成するなら、何に賛成しているかを確かめる。私たちの記事も、そうありたいですね」

デスク「『悲観的すぎる』で終わらせずに、何がそう思わせたのかを聞くところからか」

記者「はい。そこから試合の話をしましょう」

デスク「内田、マテウスも?」

記者「予定から大きく遅れないと見ている」

デスク「甲田は?」

記者「右シャドーでも戦力になると考えている。あるいは菊地を一定程度計算している」

デスク「甲田をシャドーに回してもWBを回せると判断している」

記者「そうした複数の条件が成立しているなら、補強しないことにも十分な合理性があります」

もし一人来たら、それも強化部からのメッセージになる

デスク「逆に補強があったら?」

記者「それも興味深いです」

デスク「何が分かる?」

記者「強化部が、現在の右サイドにどの程度リスクを感じているのかが見えてきます」

デスク「怪我明け3人の稼働率を心配しているのかもしれない」

記者「はい」

デスク「甲田をWBとの兼務で考えているから、シャドーとして一人には数えていないのかもしれない」

記者「菊地に求める役割が違うのかもしれません」

デスク「だから補強が来たからといって、『甲田や菊地は信用されてないんだ』と単純化するのも違う」

記者「そう思います」

結局、強化部は「どちらの失敗を引き受けるか」を決めなければならない

デスク「ここまで考えても、正解は出ないね」

記者「出ないと思います」

デスク「補強すれば?」

記者「数週間後に人数過多になるかもしれない。甲田や菊地の出場機会を奪うかもしれない。獲った選手が戦術に適応できない可能性もある」

デスク「補強しなければ?」

記者「怪我明け3人への負荷が増える。復帰が遅れるかもしれない。再離脱が出るかもしれない」

デスク「そして9月16日を過ぎたら?」

記者「そのとき通常のマーケットでは修正できません」

デスク「こっちのほうが怖く見えるな」

記者「だから今回の補強判断は、『リスクをなくす』話ではありません」

デスク「どのリスクを取るのか」

記者「そうです」

「甲田を使って負けても?」への答えも少し変わる

デスク「じゃあもう一度聞くけど」

記者「はい」

デスク「甲田を使って負けても、補強しない判断を支持できる?」

記者「今ならこう答えます」

デスク「どうぞ」

記者「その一試合だけでは判断しません」

デスク「でも?」

記者「9月16日まで補強しないと決めたのであれば、クラブは甲田や菊地も含めて内部で回せると評価した、ということになります」

デスク「つまり、その判断を一試合のミスだけでひっくり返すのは違う」

記者「はい」

デスク「逆に、そこから本当に右が回らなくなったら?」

記者「そのときは、『怪我人が出たから仕方なかった』だけではなく、9月16日の時点でそのリスクを取ると決めた編成判断として検証されるべきでしょう」

デスク「結構厳しいな」

記者「補強した場合も同じです。選手が余って甲田や菊地が全く出られなくなれば、『本当に必要だったのか』と検証されます」

デスク「どちらを選んでも結果責任はある」

記者「はい。ただし、後から結果だけを見て正解・不正解を決めるのではなく、その時点で分かっていた情報から判断が合理的だったのかを見るべきだと思います」

結論:もう「様子を見る時間」はない

デスク「じゃあ結局、補強したほうがいいの?」

記者「正直、五分五分です」

デスク「記事なのにそれでいいの?」

記者「むしろ今回、無理に『獲れ』『獲るな』のどちらかに寄せるほうが雑だと思っています」

デスク「理由は?」

記者「右シャドーの頭数そのものはあります。しかし、健康な選手が少ない。そこには間違いなくリスクがあります」

デスク「一方で、怪我人は戻ってくる」

記者「その可能性が高い。だから恒久的な補強をするほどではない」

デスク「期限付きなら?」

記者「選択肢にはなる。ただし既存選手の出場機会を奪うリスクは残ります」

デスク「そして何より」

記者「時間がありません」

デスク「9月16日まで、あと1週間」

記者「そうです。だから今回、私が一番重要だと思うのは『補強するべきか』という結論そのものではありません」

デスク「何?」

記者「名古屋はもう、決めなければならない時期に来ているということです。

デスク「補強する可能性があるなら?」

記者「もう動いていなければならない」

デスク「何も動いていないなら?」

記者「小屋松、内田、マテウス、甲田、菊地で回すと腹をくくっている可能性が高い」

デスク「つまり、俺たちが『どうしようか』と考えている間にも、クラブの答えはもう出ているかもしれない」

記者「そういうタイミングです」

デスク「前の記事では『補強は慎重に』と書いた」

記者「そのスタンスは変わりません」

デスク「でも慎重って、『何もしないで様子を見る』って意味じゃないんだな」

※ 強化スタッフなにやってんだ。ただ見てるだけか?みたいな意見も散見されました

記者「むしろ逆だと思います」

デスク「どういうこと?」

記者「怪我人の復帰見込み、既存選手の能力、今後の試合日程、再離脱の可能性、そして9月16日という締切。その全部を見て、今決めることです」

デスク「補強しないなら、補強しないという決断をする」

記者「補強するなら、もう交渉を進める」

デスク「『もう少し様子を見ましょう』だけは?」

記者「もう難しい」

デスク「なるほどね」

記者「だから今の私の結論は、こうです」

名古屋に足りないのは「右シャドー」ではない。
足りないのは「健康な右シャドー」と、右サイドを安定して回せる確実性です。

その確実性を期限付き移籍で外から買うのか。
それとも今いる選手への評価と、怪我人の復帰見込みで担保するのか。

登録ウインドーが閉じる9月16日まで、残り1週間。
もう「様子を見る」という選択肢はほとんど残っていません。

デスク「で、来ると思う?」

記者「それは……強化部に聞いてください」

デスク「最後だけ逃げたな」

記者「願わくば強化部の判断が当たりますように」

デスク「祈ろう。怪我人が早く戻って、完全体グランパスになりますように」

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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